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書籍

ヨクダの宝石

熟練宝石職人、ドニエレ・ジオネット著

レッドガードは、比類なき剣の使い手としての名声を獲得している。しかしアリクルの息が詰まるような熱気の中でしばらく過ごしてから、彼らにはただのデューンリッパーや墓泥棒よりもうまく切れるものがあるとわかってきた。もちろん、宝石のことだ!

センチネルを最近訪れていた間に、賢明な宝石職人で歴史家のベルザランという者と話す機会があった。彼によれば、レッドガードの失われて久しい故郷、ヨクダの丘には、至る所に火山性晶石や宝石の産地があるという。古代ヨクダの人々は、トパーズ、サファイア、アメジスト、オパールを採掘していた。いずれも豊かな色彩や滑らかな光沢で、どの石よりも高い価値がある。ダイヤモンドも豊富だが、無色のため捨てられていたそうだ!

幅の広いネックレスや重いバングルを作ることに加えて、ヨクダの人々はこの宝石を最も価値のある所有物、すなわち一族の剣を飾るために使った。彼らは柄頭や鞘、鍔、刃までに、精巧にカットした宝石を散りばめた。時を経て、この習慣は人気を失った。ほぼひっきりなしに続く内戦のせいで、レッドガードは美しさよりも実用性を選ぶことを余儀なくされるのが通例だった。それにもかかわらず、宝石をカットする伝統は根強く残った。ヨクダの宝石職人は武力よりも魅力に重点を移し、複雑なオパールの頭飾りを加工し、サファイアのアンクレットや幅の広いアメジストの指輪をじゃらつかせるようになった。ラ・ガーダの侵攻の時代になって、こうした職人が技術と伝統をタムリエルにもたらした。それ以来レッドガードの宝石職人が変わることなく伝えてきた道具と方法について、私は学ぶことができたのだ。

アリクルに行くことがあったら、宝石のついたレッドガードのナイフやトタンブ様式の指輪を買うとよい。実際にヨクダのうねる丘を目にする機会はまずないだろう。だがこうした宝物が、魂をかの地へ連れて行ってくれることは保証しよう。

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