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書籍

深き洞窟のハイドリクの、機知と知恵

さて、諸君。私は足首を折ってギルドホールにある自室にいる。治癒師によれば、6週間以内に再び歩けるようになったら奇跡だそうだ。ギルド幹事が時間を取って羊皮紙に色々と書いてみるのも良いではないかと言うので、若きメンバーは私の「知恵」の利益に預かれるという訳だ。時間をつぶす方法としては一杯やるほうが良さそうだが、何しろ私の回復のためにと勧めてくるのがギルド幹事だ。

だから、心して読むように。キルクリースの丘なら、どんなに弱い男でも短剣を持てばサーベルキャット数匹の腸を抜くことができる。だが本当の仕事は、西スカイリムの穴の中や薄暗い片隅にある。私はそのような場所を詳しく見て回った。こうした場所を探検した後に再び太陽を拝みたいと望むなら、この文を読み続けることだ。

シャドウグリーン
新人なら誰でも、ソリチュードに近接した場所ならそれほど危険ではないと考えるだろう。間違いだ。ここには極めて奇妙な獣が数多くいて、人の目を爪でくり抜き、肝を食べてやろうと待ち構えている。それはほんの始まりに過ぎない。そこをとめどない炎が覆い尽くすのだ。ただ近くに立っていただけで、肺に空気を詰まらせてしまった治癒師を見た。熱だけではない。また、亡霊の海から吹き付ける凍り付く風もある。手をきつく覆っていなければ指を真っ黒に変えてしまうような風だ。指が凍傷にかかっている手で、飢えた熊を回避できるか試してみるといい。やってみろ!

最近ではもっと悪い噂も流れている。厄介な魔女のハグレイヴンがそこに拠点を作っているというのだ。そしてあらゆる種類の不快なものを傍らに呼び集めているらしい。奴らが何を求めているのかは、誰にも分からない。

ドラゴンの家
 まずははっきりさせておこう。ここにドラゴンは1匹もいない。スヴァイン、ボル、オーダたちがドラゴンを倒し、英雄になろうと考えるのにはうんざりする。そうしたいなら、エルスウェアに行け!

この場所にいるのはドラウグルで、どんなギルドの支部でもこいつには躊躇するはずだ。竜教団はかび臭い広間に軍団を収める方法を実によく知っていた。それは認めよう。そしてドラウグルがいない場所には、ドラゴンを崇拝することが賢明だと考える程度にはおかしい信者がいるだろう。まるで昔に戻ったかのように! ここでは墓地におけるその他の魅力的な特徴も見られる。罠、突然勢いよく開く墓室、それに… 一番厳しいのは、足元に注意を払わなければ落ちて死ぬことだ。高さには気をつけろ!

フローズンコースト
溺死はひどい死に方だ。我々の職業で間抜けが死ぬ原因は沢山あるが、溺死はその中でも最悪の部類だ。よく滑る氷棚の上に立って海の巨人を追い払っている時に足を踏み外し、ナミラの胸よりも冷たい水の中に落ちたとする。そこから飛び出すことはできない。その冷たさはすぐさま肺から空気を奪う。どれだけ力があろうと、武装した体を極度の混乱から引き出すのは無理だ。そして沈む。

これが悪い場合。もっと悪いのは、海の巨人のクランがその岩を見て、呪文をかけて混乱の種を植えるのにちょうどいいと考えた場合だ。私が話しているのは、荒野で見かける毛皮に身を包んでよろよろ歩いている巨人のことだと思っているかもしれない。そうではない。海の巨人は賢い。そして意地が悪く、できるだけ苦しめて殺すためなら喜んで時間をかけるだろう。楽しみのためだけに。それから、奴らはマンモスのミルクからチーズを作らない。少なくとも、私に分かる限り。

冷風ヶ淵
これは洞窟だ。薄暗く、天井も低い。最近まで、心配すべきようなものは大していなかった。リーチの民が何人か隠れているぐらいのものだった。あるいははぐれ死霊術師が。ギルドは容易に対処できた。だが、これまでに見たことのない怪物がこのトンネルの中に住み着いた。見たことのない獣だ。まるでゴブリンのようだが、違っている。

ひどく汚らしい鎧を身に着けた青白い連中で、叫び声をあげる大人のオークを、黒いトンネルへ引きずり込むくらいの力がある。私はそれを調査する仕事を受けて、攻撃される前にかろうじて部屋に入れた。

奴らはある種の虫を使役している。巨大で、鋼の罠のような下あごを持ったものだ。チェインメイルを貫いて噛みつける。顎に毒があっても驚くことはないだろう。

ラビリンシアン
どんな小生意気な間抜けも、隠れ場所や攻撃の心配をすることなくこの洞窟に出入りできるだろう。だが、ちょっとした軍団を作らずラビリンシアンへ行くのは愚か者だけだ。その学者が護衛を1人雇う金しか持っていなくてもである。金には代えられないからだ。ここの上層には大きな敵がいて、下の洞窟にはさらに悪意のある連中が大量にいる。忠告しておくが、あまり奥には行くな。多くの者が降りて行ったが、上がって来た者はいない。

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