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書籍

ヒナーモの日記

記録271
シルヤレルは長く祝福された人生を送ってきた。アルトマーとしても。だがもうこの世にいない。ラヒバ隊長は彼女がクロスツリーの山賊に殺されたものと思っている。スクゥーマを使った人生の自然な終わり」と言っている。ばかげている! 妻はスクゥーマの常習者ではない。そのような中傷で妻の思い出をないがしろにするとは!

カジートの思い込みはさて置き、非難すべきなのはクロスツリーだ。証拠はたくさんある。妻がいた岸で見つかった砕けた薬瓶、顔の切り傷。すべてが密売人どもにつながる。トリニマクよ、助けたまえ。仇を討つ!

記録272
週の大半を、港のそばで待機して過ごした。常習者のひとりが販売しているのを見た。追おうとしたが、見られてしまった。音を出された。短い口笛が2回、長い口笛が1回。覚えておかなければ。屋根の上から奴の仲間が2人、飛びついてきた。徹底的に負かされ、港から投げ落とされた

潮が傷の血を洗い流し、目を覚ました。まだ痛みを感じる。あの害虫を追おうとしているのなら、自分の身を守ることを考えなければ

フサクは逞しい仲間で良い友人だ。数年の間、険悪な酔っ払いやごろつきと戦って多くを学び、戦士の寛大さがある。明日、知っていることを教えてほしいと頼むつもりだ

記録273
フサクの笑いは止まらなかった。甘いケーキを求めて鳴く子猫のようだと言われた! 私の状況を説明し、教えてくれるか尋ねたところ、態度が変わった

「双子月の舞踏の聖堂に行け。犬に咬まれる者を訪ねろ。俺に話したことを伝えろ」と言われた

明日出発する。オルワネニャには、ウィンドキャッチャー大農園の近くの潮だまりで魚を釣ると言っておいた。信じてくれたと思う

記録274
犬に咬まれる者の話は私とよく似ていた。クロスツリーに兄弟を殺され、ウィンドキャッチャー大農園に来たという。戦いを習いたかったということだ

しかし、モンクたちは考えるよう訓練されているという。武術の訓練はどれもパズルだ。生徒は理解していることを示すまで、次には進めない。リドル・サールの導きがあり、正義を実現しようという望みとともに、復讐したいという思いを鍛え上げられた

彼女が行動に出た時、それは計算され的確なものだった。クロスツリーは事故としか思わないだろう

記録275
訓練は順調に進んでいるが、リドル・サールの教えを受け入れるのは難しい。自分自身をより大きな概念の中の小さな一部とみなければならないようだ

今までにない考え方だ。古いアルドメリスの考え方とは全く違う。はるかにこちらの方が柔軟だと認めるが。特に定命の者の良心の呵責については。このことについては瞑想するつもりだ

記録276
気持ちに静寂が訪れた。眠りは眠れなくなる前に、簡単に訪れる。シルヤレルの糸が私のものと夢の中で交差する。そこでは娘が翼を広げ、私たち全員をぶら下げている枠組みを超えて飛んでいる

空白を越えて、クロスツリーの糸は夜の短剣のように輝いている。奴らのひもを断ち切るのは何て簡単なのだろう! 奴らを闇に転がり込ませてやる!

しかし、不正確であるというのは強大な敵だ。だから待つ。観察する。そして学ぶ

記録277
犬に咬まれる者によれば、クロスツリーは脆弱だという。直接対決するなど問題外だ。他の者とはぐれたひもを断ち切る方が良さそうだ。ひもを切れるまでほどきながら

用意はできた

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