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書籍

ガシエルの日記

病が私を日々蝕んでいる。絶望と憐憫に屈しないよう全力を出さねばならない。なぜ私が? なぜ今? 私は若く、近所の人に親切にし、クランを支持し、夫を愛し、森の世話を一生懸命してきたのに。

このことでかわいそうなエラナスが悩むのはもっと苦しい。彼は寝食を忘れている。日々作業台で屈み、森で拾った植物から新しい混合物を作ろうとしている。

私のために自分を犠牲にしてはならないと言ったのに、彼が私を見て苦しんでいるのがわかる。そして私は弱くなりつつある。これを書く手さえも震えている。

今朝起きると夫がそばに座っていた。彼は泣いていた。薬をくれたけど、もちろん私の病気は治らない。無駄なのよ。彼がグリーンパクトにこだわるかぎり、薬が正しく調合されたとしても十分な効果を持たない。

夫も同じことを考えたようだ。今日彼がいない間に作業台を調べてみたら、園芸術の本があった。涙の痕が残っていたのは、神聖な花で、病の回復に関係あるというサングイン・アレンディルのページだった。

夫のことはよく知っている。彼は決して神聖な花を切りはしないでしょう。でも、私は方法があるのなら死にたくない。グリーンパクトは自ら死ぬための取引ではないでしょう? 森は人々の治療のためにある。自分でサングイン・アレンディルを取るには弱くなりすぎたけれど、何とかする。

*****

終わった。夫が毎朝枯れた花を探しまわる場所に、切り取った植物を落としておき、彼が見つけられるようにした。後悔はしていない。

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