第二の断章の融合 翻訳・解説: フローリン・ジェリル ひとつ前の詩(断章 1)の中で、南方にある緩やかな起伏の丘があるところと言えば、ハイロックとしか思えない。その場にいたものは誰でもそう思ったであろう。当然、問題はオークがその地にいたとするこの明確な言及は何なのかということだ。オークはアルドメリが入植するまで出現しておらず、広がったのはレスデインの時代、トリニマクとボエシアの有名な戦いの後のことだからである。 言い伝えが間違っている可能性もある。オークはアルドメリの植民地化より前にいた原住民だったのではないだろうか。おそらく呪われた人― アルドメリでいう「オーシマー」で「オーク」と同じ言葉―とは別の生き物、つまり別時代のオークに同じ名前が与えられたのであろう。この詩がここで終わってしまったのは実に残念で、そこには残された疑問を晴らす手がかりがあったであろう。 一つ目の断章と二つ目の断章の間は、かなりの部分が失われた。その間にさらに80ヶ月が過ぎたに違いない。なぜならトパルはその時タムリエルの逆側におり、旧エルノフェイを見つけられなかった後で、南西のファーストホールドへ戻るよう航海の準備をしているからだ。 断章 2 網でできた絶壁が巨大なあごのように突き出ており、 西の方には航路がないことがわかり、 ニベンは南へと船を出した。 聖域と平和を約束する 砂と森林に覆われた島を通りすぎた時、 乗組員は喜び騒いだ だが垂れ下がった岬に似た革でできた羽のような木の上に 巨大な影が現れた時、歓喜は恐怖へと変わっていた 船ほどの大きさのコウモリトカゲであったが よい水先案内人であるトパルはただ弓を構え、その頭に一撃を加えた トカゲは倒れ、トパルは甲板長に聞いた「死んだかな?」 トカゲが白波にぶつかる前に、今度は心臓にとどめを刺した それから四十日と六日、ニベンは南へ船を走らせた トパルの案内人、製図家、生存能力、談話家としての武勇伝に加えて、弓矢の名手であることがわかる。もちろん詩的許容であるが、神話紀のアルドメリは洗練された射手であったことは考古学的にも証明されている。彼らの弓は木を重ねたもので、銀の絹糸で警笛が下げられており美しいものだった。何千年も前の専門家も絶賛している。 この断章の初めでトパルが立ち向かう生き物は、その怪物は竜を思い起こさせるが、現代のモロウウィンドにいるクリフ・レーサーの祖先のようだ。海岸線の足場の悪い不安定な崖はネクロムのように思える。ゴルン島は「コウモリトカゲ」の巣であるのかもしれない。ただし、私が今知る限りの情報では、モロウウィンド東部にそのような生き物はいない。
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