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書籍

ファーグレイブの事件

ファーグレイブの出来事を記録した事件簿、イラーラ・キンヴァル著。「ファーグレイブの目撃者」第94号掲載

今日は事件がたくさんあった。ドレモラの一団が、この素晴らしい街において定命の訪問客がゴミを保管し処理するために選んだ場所の封鎖に踏み切った。定命の者はファーグレイブのグラスプの官吏に、廃棄物を処理する仕組みが必要だと訴えた。簡潔でもあり、教育的すぎる訴えだった(事件の詳細は33ページを参照)。グラスプは廃棄物を街の境界の外に留め置く必要を感じ、定命の者の計画に合意した。それでも、この許可にファーグレイブ内の全住人が満足したわけではない。私はいつもの通り定命の者を追って、彼らの行いを記録しようとした。だがファーグレイブに関わりのある、様々なドレモラのクランもまた彼らを追っていた。

続いて小競り合いが起こった。きっかけは帝国の者がシャベル一杯の掘削現場の泥をドレモラに投げつけたことだ。そうなる前に口論もあったようだったが、やりとりは静かだった上、荒野の風が吹き荒れていたので聞き逃した。一方、土は標的に命中した。後に続いたのは正々堂々とした決闘だったとは言えないが、双方ともに激昂し、カジートの女が熊手を廃棄物に突き刺して、戦う者たちにぶつけると脅すまで続いた。双方ともにこの件を黙っておいたほうがいいという結論に達した。私はそのような約束をしなかったので、ファーグレイブの目撃者としての権利により、本件を記録することにした。

* * *
定命の者が夜と呼ぶ期間がこの周期ではゆっくりと流れる。バザールではデイドラの商人が品物を売っている。彼らは見込みのありそうな客を呼び止め、品物の宣伝をすることがない。もう彼らの事業はしっかりと根を下ろしており、目端の利く客に隠すこともない。商人が店や露店の宣伝をするのは希少な品が手に入った時か、新たな定命の者がきた時だけだ。最も活気にあふれるのは、新しい商人が商売を始めた時だ。すると全ての店主が、自分たちの存在を知らしめ、仲間の店より抜きんでているとアピールし始める。その時まで通りは静かなままで、露店はどっしりと構え、誰一人足音ほどの声もあげない。

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今日からまた負傷者の間引きが始まった。毎度のことだが、非公式に開催されたイベントが、明確な主催者もなく運営されている。定命の者の商人がバザールで店を開けると間もなく、負傷していると見える者や、今や全盛期を過ぎたと思しきデイドラが、街の東の溶岩流へと身を投げた。溶岩流の中へ旅立ったデイドラは今年これで5人目だ。

分解された者たちがみな短期間で再生され、遠からずファーグレイブの門をくぐるよう願っている。

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今度の周期はストリクチャー広場のグラスプが大いに活躍している。定命の者、デイドラ、その他様々なファーグレイブの商業団体の指導者が会合し、街の統治に関する条約改正について討議した。代表団の間で何度も殴り合いが起きかけた。グラスプ・キン・マルキナズがものすごい剣幕でバネキンの独白を怒鳴りつけ、紛糾する代表団を黙らせなければ収拾がつかなくなっていただろう。しばらくしてから人々は広場を出て、〈運び手の休息所〉へ向かった。そこで静かに敬意を抱き… いや、少なくとも静かに話し合った。グラスプ・キン・マルキナズを再び怒らせたくなかったのだ。

最初の晩の討論が終わり、グラスプは進行の中断を命じた。そして数件の議題が片づいた。

第一に、ストリクチャーの保護の有無に関わらず、ファーグレイブの知性ある市民を市場で売ることを禁じる。

第二に、ストリクチャーの保護の有無に関わらず、市内においてファーグレイブの市民の知性を奪うことを禁じる。

第三に、今後無期限に、ストリクチャーの法令に従うことに合意したファーグレイブの全住民を、ストリクチャーの盟約が与える市民権の保護対象に含めるものとする。

第四に、物資や商品の市内への流入を妨害することを禁じる。

* * *
この会議は8期目を迎えるが、出来事が多すぎて日報にまとめることができないようになってきた。代わりにメモを取っておいて、定命の者が自分が休むための休憩を無理強いする時点で、考えをまとめることにした。これまで本格的な殴り合いの喧嘩は3回以上あった。定命の者は〈運び手の休息所〉をどうしても専用の戦場に変えなければ気が済まないようだ。あるアルゴニアンはグラスプの代表に椅子まで投げつけた。グラスプ・キン・マルキナズは7回も、獰猛なドレモラの戦歌を様々に披露して、高まった緊張を鎮めなければならなかった。

定命の者がデイドラの食事場所を街から排除するように要求したが、これ以上の政策変更は合意にも、実現にも至らなかった。彼らは「生きるための養分を必要としない者に、食事の準備や食事に類似した消耗品の用意を任せられない」と主張していた。

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