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書籍

ドゼンのタルハルパ

この素朴なリラの来歴が語るのは双子のブレトンの兄弟、ドゼンとジビハンの物語だ。競争意識を持ってはいたものの、とても仲の良い兄弟だった。彼らの残した物語は、街の広場でタルハルパを使った音楽コンテストに関するものだ。彼らが観衆を賑やかでテンポの速い掛け合いで魅了すると、人々は踊り始めて歓声をあげた。民は聞いたこともないような素晴らしいコンサートだったと記憶している。その後、ジビハンはドゼンに家まで競争しようと持ち掛けた。丘の中腹の道が狭くなった時、ジビハンがドゼンの前に出た。家が近づき、勝利が目前に迫ったジビハンはゴールの前に振り返ったが、そこにドゼンの姿はなかった。

ドゼンは丘を転がり落ち、巨大な石に激しくぶつかっていた。彼は激しく血を流していた。ドゼンは青ざめて浅い呼吸をしながら、思い出せるのは音楽コンテストで勝利を収めたことだけだと言った。街の住人たちは勝者がいないと宣言していたが、あの絡み合った曲には感銘を受けていた。

最後が近いことを知り、彼はジビハンに自分の腱を使って新しいタルハルパを作り、それを演奏して人々を勇気づけ、踊ってもらうよう誓わせた。ジビハンは言われた通りに兄弟の腱を使ってこのタルハルパを作ったが、喜ばしい気持ちで演奏することはできなかったため、吟遊詩人の大学に寄付したのだった。

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