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書籍

デイドラ崇拝: アイレイド

エリンヒルのファラスタス著

デイドラが非難され、タムリエルにおける文明的な全種族で崇拝が禁じられている理由は広く理解されており、今回の執筆内容で明らかにするように、歴史的出来事を根拠とするものである。「レディ・シンナバー」を語る学者紛いの意見とは裏腹に、私の主張を裏付ける証拠は議論の余地がなく、公的に認められた古代に詳しい全学者から一般に受け入れられている。

エドラを初めて組織的に崇拝するようになったアルドマーは、初めてデイドラの主を崇めた者達でもあった。これはおそらく、サマーセット諸島を離れてタムリエル中央と南西部で分派の文化を作ったエルフ、アイレイドの間で小さな規模で始まったもので、中には、デイドラの崇拝(など数多くのこと)を禁じたアルドマーの規則による拘束から逃れるためにも行なわれた。

アイレイドの文化は栄え、アリノールの遙か遠くからも人を引きつけ、神話紀最後の1000年間で、デイドラ崇拝はハートランドのハイエルフの間でも根付いて広がった。おそらくアイレイドの大多数はエドラに敬意を表し続けており、まだ広く崇められていたが、様々なデイドラ公に傾倒する教団がシロディールの各所で立ち上げられ、容認され、そして祝われた。チャイマーと異なり、アイレイドはデイドラの「善と悪」を区別しなかった。それどころか、極悪なデイドラ公さえもが広く崇められ、それは特にアイレイドの王や上流階級に受け入れられ、支持されるようになることで助長された。

ハートランドのエルフにおいて広く普及したデイドラ崇拝は、当時タムリエルに到着し始めたネード人の部族にとっては特に悪い話だった。アイレイドは、当初は時折ではあったが後に組織的に人間の移民部族を奴隷化するようになった。ネードの民は多くの場合、奴隷、支配、無慈悲を推奨する場合もあるデイドラ公を崇拝した主人の下に置かれた。アイレイドの支配下で、人間の奴隷はそのようなデイドラに影響された「芸術」である、肉体の彫刻や内臓園芸の対象とされた。実際に、タムリエルの人間文化において浸透しているデイドラ崇拝への嫌悪感は、おそらくこの時期に生じたものであろう。

第一紀初めに起きたアレッシアの奴隷反乱は、デイドラに影響されたアイレイドの残酷さに対する、激しい怒りによって火がついたところが大きい。反乱側についたアイレイドの王達は、主にエドラの崇拝者であり、そのためアイレイドが転覆させられた際に、アレッシア女王が第一帝国による八大神崇拝にエルフのエドラを組み込んだのも不思議ではない。女王の新しいシロディールの帝国は、デイドラ公の崇拝を非合法化し、デイドラを崇めるアイレイドは発見されると皆殺しにされた。

そのため、第一紀の中頃までには、大規模なデイドラ崇拝はタムリエル中央で消滅し、大陸の北東にいたチャイマーの間で、そして(常に社会ののけ者である)オークの間でマラキャス(またはモーロッチ)が神の祖先として崇められるのみになった。他の地域において、人間、エルフ、獣人の間で、デイドラ崇拝はほぼ禁じられた教団というレベルでしか残らなかった。これに反するレディ・シンナバーの主張は、まったくのでたらめである。

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