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書籍

マルカルスのインペリアル

アルドの行政官、執政官カルデア著

ロングハウス帝の時代からマルカルスは大きく変化したが、変わらない物事も多い。モリカル皇帝がカダッチを総督に指名した後、私は最初の任務としてここに派遣された。

シロディールからマルカルスへの移住は、思ったほど大きな衝撃をもたらさなかった。リーチ自体は大きく異なっていたが、故郷のしがらみは都市の中にいても常に明らかだった。私はささやかながら秩序を維持するために派遣された。文書や行政、この場所を治めるための様々な任務を処理するために。ある意味では私がここにいる目的自体が、ホームシックの防止に役立ったと言えるかもしれない。

マルカルスは住民にとって常に捉えどころのない場所で、その古代の技術は魅力的であると同時に、圧迫感を伴ってもいる。リーチには野生的で無秩序という評判があるが、マルカルスには今でもドワーフの緻密な意匠が残っている。秩序立てられ細密だが、時を経てそれとはまるで反対の人々が占めるようになった。

帝国が倒れた後も留まるほど自分がこの場所を好きになると誰かに言われていたら、私は面と向かって相手を笑い飛ばしていただろう。だが実際にそうなった。カダッチがアルド・カダッチになった時、彼が個人的に私の残留を求めたのも一因だった。彼を相手に断るのは難しく、しかも私は常に自分の事務能力を評価してくれる者に弱かった。

私がリーチの民をこれほど気に入るようになったのは、それが理由かもしれない。彼らの多くは読み書きができないし、学ぶ意思もない。そのため私は、彼らにとって欠かせない存在である。この立場を喜んだことは否定しがたい。

しかしインペリアルとしてマルカルスで暮らすことが大変でないとは言わない。誰もが私の仕事を評価してくれるわけではない。やって来るクランの中には、自分たちの仲間でさえ信用しない者もいる。彼らと異なる者はなおさらだ。記録をつけ、彼らと話して問題を解決する手伝いをするのが私の役目だが、大変な不利を抱えつつ働かなければならない。私は脅迫され、侮辱され、憎悪されてきた。どれだけ長くここで働いても、リーチには自分たちの問題に干渉するインペリアルを信用しない者が未だにいる。

だが私はこの地が好きだ。人間とクランの個性が奇妙に混ざり合うマルカルスが好きだ。アルド・カダッチと働くのは楽しく、必要とされているという感覚も楽しい。この地と民への献身にとって、解決できない困難など存在しない。

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