書籍

エチャテレのすべて

スタグブラルツ・グロー・シャトゥル著

食事の時に、何が腹を満たしてくれる? エチャテレだ。
寒さが厳しい時に何が身を包んでくれる? エチャテレだ。
忘れるな。エチャテレは食い物だ。エチャテレは服だ。
これが放牧地の最初の掟だ。

エルフが村にきてエチャテレが「かわいい」とか「気高い」とか抜かしたら。ぶん殴ってやれ。
エチャテレはかわいくも気高くもない。
醜く、嫌らしく、尖ってる。
エチャテレを愛すれば、エチャテレに殺される。
これが放牧地の第二の掟だ。

口笛を吹かずにエチャテレを集めることはできない。
だが口笛を吹くとエチャテレは怒る。
それでもやらねば食べることができない。
死なないためには殺される危険を冒さねばならない。
これが放牧地の第三の掟だ。

エチャテレを屠る時は、喉を切ってその血をたらいにためろ。
さもないと、中から腐ってしまう。
これは掟ではない。常識だ。
腐った肉など食いたくない。

エチャテレの子供に名前を付けると、子供が夢中になってしまい、屠る時に泣かれる。
だからエチャテレが区別できなくて、どれがどれだか分かるように名前を付けたい時でも、「バカなハムスター蟹」とか「毒々しいの」とか「尖りすぎ」といった名前にしろ。
オーク風に名づけてはならん。
そうしないと子供がなついてしまって、一生恨まれることになる。

これが放牧地の掟のすべてだ。
これを守れば群れは増え、腹も満たせ、子供にも嫌われなくてすむ。

追記: エチャテレが一匹の時はエチャテレだ。
二匹ならばエチャテレズだ。誰でも知ってることだ。
だが一生放牧しているなら、「エチャテレが5匹あっちにいる」と言っても構わない。
なぜならあいつらはみんな同じだからだ。

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