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書籍

死体の世界

マニマルコ著

私ほど苦しんでいる者が他にいるだろうか? 夜も昼も構わず、死霊術師志望者の子供じみた嘆きに耐え忍ばねばならない者はいるか? 信者たちが私の真実を記憶に刻み込むまで、私はどれだけの魂を無力な失敗から引き離さねばならない?

質問! 臆病な謝罪! 作り笑いを浮かべた否認! こんな惨めな下種どもが、本当に暗黒の技の継承者なのか? これが我らの栄光高き実践を次の世代へ伝える死霊術師だというのか? 実に忌々しい!

死霊術師志望者どもの質問にはどれも腹が立つが、いつも決まって殺意を抱かせる質問が一つある。「名誉ある虫の王よ、どこで死体を探せばいいのでしょうか?」私はこう答える。「他の死霊術師がお前の死体をここで見つけるだろうよ!」そしてそいつの魂を、考えうる限り最も苦痛に満ちた方法で刈り取る。

さて、このような習慣はささやかながら、個人的な憂さ晴らしにはなる。それに無能な魔術師の芽を摘み取ることで、私はタムリエル全土に貢献してもいる。しかし数百年も経った今、こうした儀式全てが面倒で退屈だと感じるようになった。だから簡単な教えを紙に記すことにした。これを無視するなら、命に危険が及ぶと思うがいい。

どこで死体を探せばいいか? どこでもだ! 世界全体が一つの墓地だ。タムリエルのどの街や草原、森でも、これまでに数え切れないほどの虐殺や悲惨な事件が起こっている。その中には知られているものもあれば、忘れられたものもある。お前が足を置く場所ならどこでも、その下には死体が眠っていると請け合っていい。必要なのは、死体を呼び出して仕えさせる意志だけだ。古い骨は一定の抵抗を示す可能性がある。時と腐敗で動きが鈍り、扱いにくくなっているかもしれない。だが古代の死体を従わせることができないのなら、死霊術師と名乗る資格はない。

生者が残っている限り、死者もまた残り続ける。死体を探すなど子供の遊びだ。死体を利用することこそ、死霊術師の力を測る真の物差しだ。

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