王の静養地

レディ・アラベルは俺が言った通りの人物だっただろう？ 両手斧のように強靭だが、声はエドラのようだ。とにかく、残ってくれてよかったよ。まだやることはあるし、あんたの助けが欲しかったからな

さ、レディ・アラベルと話してこい。詳細を教えてくれるはずだ

招待メダルを取り戻したのは始まりでしかないわ。さ、レディ・アラベルと話して。彼女はきっと、まだあなたの力を借りたいと思ってるはずだから

メダルは無事に取り戻せた。あとはそれぞれの使節に届けるだけね

あなたは今回の和平交渉のことも、事態の重大さも理解している貴重な人材。超越騎士団の脅威に晒されることになるけれど、最後まで力を貸してくれない？

メダルは計画の要のひとつ。できれば信頼できる者に配達を頼みたい。ジャカーンと私は同盟のリーダーが選んだ代表者に届けるわ

あなたには、戦士ギルドと魔術師ギルドのメダルを届けてほしい。頼める？

ギルドは人々から一定の敬意を集めているし、独自の影響力も持っているわ。その力に鑑みれば、彼らもこの交渉に参加する資格がある

メダルを2枚預けるわ。ちょうど、魔術師ギルドの大賢者デルリックが到着したそうだから、まずは彼にメダルを届けて

メダルの扱いにはくれぐれも注意して。これを作るにはかなりの労力が掛かっていて、和平交渉の開催時期を考えると作り直す時間はないわ

大賢者デルリックにメダルを渡したら、あなたの街の戦士ギルドホールへ向かって、お願いね

ジャカーンは私の他の秘密をどれだけ話したのかしらね？ まあいいわ、少し話してあげる

私はこれまで、色々なことをやってきたわ。傭兵、獅子の守護団の士官、スパイ… 上級王の密偵も、そのひとつ。幸運なことに、いろいろな才能があったのよ

本に書いてあることを頭から信じるのはおすすめできないわね。見て、これがインクに塗れた作家の手に見える？

でも、あの品の悪い捜査官と冒険の物語は面白いと思っているわよ？ 自由気ままな冒険の日々を思い出させてくれるから

はい、この話はここまで。互いに行くべき場所があるし、時間は残り少ないわ。噂話について話し合うのは後でだってできる。食事と、高価なワインを添えてね

でも今はその時じゃない。さ、とにかくそのメダルを届けてきて

ふむ、どうやらここでお別れのようだな。俺たちはヴェイレシアを助け、盗まれたメダルを取り戻した。あとはメダルを届けるだけだ！

十分気を付けるんだぞ。超越騎士団がこのままにしておくとは思えないからな

魔術師ギルドが代表者を選んで送ることは知ってたけど、まさか先生… 大賢者デルリックだとは思わなかった。デルリックは私の師匠なの。私が招待メダルの原型に使ったマスターメダルを作ったのも彼なのよ

さあ、先生に招待メダルを渡してきて

レディ、あなたとジャカーンのためにポータルを作るわ

幸運を。タムリエルの未来がかかっていることを忘れないように

遅れて申し訳ない。大賢者の仕事はきりがなくてね。レディ・アラベルが退出するのを見たよ。残念だ、彼女と話したいと思っていたのに

とにかく、魔術師ギルドは来るべき和平交渉で私が代表になることを決めた。私への招待状はあるかね？

ふむ、なるほど。見事な職人技だ。ヴェイレシア君は私の弟子だった頃から、随分成長したようですな

私はマスターメダルの方を作成したのだ。簡単な作業ではなかったよ！ これだけの力を持つ付呪を作るのは骨が折れるからね

鎖に頭を通せば、メダルは和平交渉が終わるまで私と連結される

君が持っているのは戦士ギルド用の2枚目のメダルかね？ 急いで届けた方がよかろう

ではこれを身に着けて… ぐあああ！

デルリック先生！

先生が… 大賢者デルリックが… 死んでしまった… メダルを首に掛けただけなのに、アルケインの力に吹き飛ばされたの！ 一体、どうしてこんな… 絶対に安全な仕事だったのに… まさか！

お願い、戦士ギルドのメダルを貸して

あなたが騎士団からメダルを回収した後、もっとよく調べるべきだった。誰かが付呪に手を加えたのよ！ 身に着けると死の呪文を放つよう、罠を仕掛けたんだわ

超越騎士団め… あいつら、最初から私たちに回収させるために置いていったのよ… ああ！

超越騎士団はメダルに死の魔法をかけた。私たちがメダルを届け、使節が身に着ければ、使節は死ぬ。そうなれば当然、停戦交渉は頓挫する。超越騎士団は何も手を汚すことなくね。ジャカーンとレディ・アラベルはメダルを届けに出発してしまった。メダルが起動して使節が死ぬ前に、ふたりを止めないと！

このメダルを、キャンプにある私の作業台に置いて。解呪粉を作るわ。それを使えば死の魔法を取り除いて、メダルを元の状態に戻せる

まずはデルリックのメダルを解呪しておくわ

この薬が粉状になり、危険な付呪を消す解呪粉になる… よし！

この粉はばっちり効くわ。招待メダルに振りかければ、メダルを元に戻せる。会場へ入るための保護魔術には何の影響もないから安心して

ジャカーンを追って。彼が持っている2つのメダルに解呪粉を使って。使節がメダルをかける前に

私はギルドのメダルを解呪して、レディ・アラベルに連絡するわ

彼は私のポータルでウィンドヘルムへ向かったわ。スカルド王ジョルンにエボンハート・パクトの招待メダルを届けるために。おそらく、王の宮殿へ向かっているはずよ

テーブルから解呪粉を取って。私はポータルを開くわ

このポータルでウィンドヘルムまで行けるわ。ジャカーンを探して、メダルに粉を使って。頼んだわよ！

時間がもったいないわ。ジャカーンはそこまで機転が利く方じゃないけど、配達のやり方ぐらいは知ってる

私のポータルでウィンドヘルムまで行ける。王の宮殿へ行って、メダルに解呪粉を使って。それでメダルは安全になるから

止まれ。王の宮殿に、何の用だ？

用件を述べよ。何の用もなく王の宮殿をうろつかせる訳にはいかない

ああ、揺るぎなき者の会の男か。お前は奴の同僚か？ ちょうど入れ違いになったところだな

彼は既にスカルド王にメダルを届け、立ち去った

お前の同僚によると、メダルは揺るぎなき者の会からの贈り物だそうだ。危険とは穏やかじゃないな。どういうことだ？

メダルは書斎にて保管されている。鑑定を終えた後、王にお見せするつもりだったが

ふーむ… 揺るぎなき者の会には、これまで疑わしいところなどなかったのだがな… 分かった、メダルを見せよう。だが、スカルド王を脅かすような真似をしたら、即座に斬り捨てる。いいな？

さあ、行こうか

行け。メダルを無害にするため、できるだけのことをしてくれ。王に危険な物を渡そうとしてしまうとはな… 王をお守りすることこそ私の任務。お前が来るのがもう少し遅かったらどうなっていたか、考えるのも恐ろしい

終わりか？ メダルはもう安全か？

私は魔術に明るくない、故に疑ってしまうのだが… なぜメダルがもう危険ではないと確信できるのだ？

確実に安全だと分からない限り、スカルド王にお渡しすることはできない

そうか… わかった、お前を信じよう。いずれにせよ一度、宮廷魔術師に見てもらうつもりだが

危険を警告してくれて感謝する。お前の同僚は、メダルが危険だと知っているのか？ 彼は次の配達を早く済ませたがっているようだったぞ

アイレン女王の宮廷にいる誰かに会うため、オーリドンへ向かうと言っていた。スカイウォッチの港を調べてはどうだ？

彼がまたあのメダルを届けるつもりなら、急いで阻止した方がいい

アイレン女王とは覇を競っているが、敵を不名誉な形で殺すことに栄誉はない。頼むぞ

必要ならば、港の船を使っていい。私はスカルド王が揺るぎなき者の会からのメダルを受け取れるようにしておく

ここに残る必要はなかろう。お前の仲間がメダルを誰かへ渡す前に探しに行け

私はスカルド王の手にメダルが届くよう手配する。揺るぎなき者の会には、心配いらないと伝えてくれ

頑固で不機嫌そうな態度を崩さないのは大したものだが、俺はアイレン女王にメダルを届けに来ただけだ

それが本当だとしても、貴様のようなごろつきを女王に会わせられるか。そのメダルは私が確認する

ああ、イケてる友よ。ここまですぐに会うとは思わなかったよ

別に、この執事を困らせていたわけじゃない。単に… なんだ、関係を築こうと思っただけさ。信頼関係をな。彼にはもうアルドメリ・ドミニオンのメダルを渡したよ。もう行こう

何だと？ 本当か？ 途中でメダルを着けようとしなくてよかったよ…

しかし、マズったな。もうエボンハート・パクトのメダルを届けてしまったんだ。急いでウィンドヘルムに戻ろう。ただでさえ俺は賞金首なんだ、王殺しの賞金まで加えられたくない！

そうか、よかった！ 解決策が用意できてるなら、先に言ってくれるか？ 心臓に悪いからな

とにかく、メダルから悪しき魔法を解呪できるなら、すぐに行ってくれ。細かいことは後で話してくれればいい。高慢な官僚たちが自分でメダルを着けてみようなんて思う前に、急ぐんだ！

悪しき魔法だと？ 解呪しろ！ すぐに解呪するんだ！

心配するな。この件が片付いたら、不満だらけの友人と仲直りするさ

お前は悪しき魔法の解呪に集中してくれ

アイレン女王の宮廷に、危険な遺物を運んでくるとはどういう了見だ！ この状況を改善する方法があるならば、すぐに取り掛かってもらいたい！

まさか、女王の命を狙う最近の事件と何か関係があるのではあるまいな？

ねえ、聞こえる？ 助けが要るの！

幻影？ これはどういうことだ？

ヴェイレシア！ 俺の魅力に抗えないとわかっていた！

しかし、彼女は悩んでいるようだ。あの危険なメダルが関係しているに違いない。彼女と話してくれ

無礼な冒険者が二人も来たかと思えば、今度は魔法の幻影か。何ともおかしな事態だ。まったく、なんという事態だ！

よかった、見つかった！

超越騎士団が襲ってきたの！ 何とか追い払ったんだけど、レディ・アラベルと連絡が取れなくて… 彼女が危険だと思う。それに、彼女にまだメダルの危険について話せてないの！

連絡手段があったんだけど、一切応答がないのよ。幸い、メダルの魔法は追跡できるから居場所はわかっているわ。ダガーフォール沿岸の沖にある島へ向かっているみたい

私たちが魔法を解呪したことは超越騎士団にバレているみたい

戦士ギルドに解呪を済ませたメダルを届ける直前に襲ってきたからよ。私が狙われたということは、当然レディ・アラベルも狙われると考えるべきでしょう？ 連絡はとれていないし、彼女の所へ繋がるポータルも開けなくなっている。心配だわ

ソードレスト島。ダガーフォール沿岸沖にある島よ。上級王エメリックはあそこを静養地として使っているの。王と秘密裡に会うには絶好の場所でしょ？

あなたとジャカーンにはスカイウォッチの港で船を探して、できる限り早くソードレスト島に向かってもらいたいの

メダルは安全だ。女王に届けてくれ。イケてる友よ、港で合流しよう

超越騎士団め！ 奴らがレディ・アラベルの髪一本でも傷つけたら…

いや、考えるな。レディ・アラベルは尋常じゃないくらい頭が切れる。きっと無事だ。だが急ごう… もしもの時のために

いや、今初めて聞いた。だが、本当に上級王エメリックの私的な静養地だというなら、厳重に守られているはずだ

だとすれば、獅子の守護団が常駐しているはず。超越騎士団を撃退してくれるといいんだが

レディ・アラベルの無事を祈るわ。自分の身を守ることはできると思うけど、超越騎士団は和平交渉を何としても妨害する気みたいだからね。何をしかけてくるかわかったもんじゃない

急いでね。私は魔術を弾いている対抗呪文を破れないかどうか、もう少し試してみるわ

レディ・アラベルと言ったか？ それなら話は別だ！ あの方には何度かお会いしたが、魅力的な女性であった。彼女が危険だと言うのであれば、ぜひ向かってくれたまえ。ブレトンの海への船は、南の港にある

このメダルは、アイレン女王に届くよう取り計らっておこう

この船を使おう。オールの扱いには自信があってね。あっという間に着くさ！

うーん、誰も挨拶に来ないな。嫌な予感がする。油断するなよ

ここは間違いなくソードレストだが、獅子の守護団はどこにいる？ 何かが明らかにおかしい

辺りを見て回って、レディ・アラベルを探そう

ただの勘だ、と言いたいが、それだけじゃない。ここは上級王の静養地なんだろう？ それなのに、王の兵士たちが一切姿を見せない。それに、見えるか？ あそこの船。旗が立っていない。恐らく超越騎士団はあの船で来たんだ

まずいな、あれは獅子の守護団だ。ここで何があった？ 辺りを調べよう

獅子の守護団は精鋭だ。奴らは数で圧倒したんだろう

超越騎士団だな…

くそっ！ 奴ら、本当に上級王エメリックの命を狙っているのか！ 行こう、中に入るぞ！

問題だらけだな… レディ・アラベルはもちろん、上級王エメリックの命も危険だ

超越騎士団は悪の道を進む気のようだな。さあ、中に入ろう

まずレディ・アラベルを探そう。彼女が上級王エメリックの居場所を知っているといいんだが… 超越の勇者にも気を付けるんだぞ。奴とついにご対面することになりそうだからな

静かに！ 上に誰かいる！

まだ上級王の部屋に着かないのか？

もうすぐです。そろそろ結界を抜けます

これ以上の遅れは許されん。これが最後のチャンスだぞ、勇者よ

畏まりました

奴らの幹部は何人いるんだ？

あの女は、どうなった？

まだ捕まっていません。しかし隠れる場所にも限りがあるはず

迂闊だった。エメリックを始末しろ。それからあの女を探し、殺せ

はっ！ 仰せのままに

奴らはまだレディ・アラベルを見つけていないようだな。彼女を先に見つけよう！

あら、ごきげんよう。完璧なタイミングね

先にレディ・アラベルを見つけられてよかったよ。無傷のようだしな。…だがあの人、この状況を楽しんでないか？

まあいい、彼女と話してくれ。ここで何が起きているのか知りたい。それと、メダルについて伝えるんだ

超越騎士団がここで何をしているのかはわからない。けれど、私とエメリックを抹殺する決意を固めているようね。部隊を率いてきたけれど、囲まれずに済んだ。何人かには見つかったけれど、その場でおやすみいただいたわ

それで、私の居場所をどうやって知ったの？

ヴェイレシアが問題を探知してくれると思っていたわ。超越の勇者とその部隊は、強力な魔術師を連れて船でやってきたの。島の防衛の大部分は、その魔術で無力化されたわ

でも、メダルに手を加えられたって、どういうことなの？

解呪粉ですって？ それは賢いわね！ デルリックのことはとても残念だけれど、他のメダルには対処してくれたんでしょう？ 犠牲は最小限に留められたわね

最後に会った時、エメリックは安全な王の私室にいたわ。あそこの結界はまだ機能しているけれど、ずっと保つ訳ではないでしょうね

策を使うのよ。あなたが中庭に向かい、超越の勇者と対峙する。その間、私とジャカーンは裏に回って、魔術師に背後から奇襲をかける… これでどう？

ありがとう。この粉は私が持っているメダルにもかけておくわ

超越の勇者は何としてでも排除しないと。上級王エメリックが失われれば、和平交渉もおじゃんだからね。そんなことを許す訳にはいかない

俺はレディ・アラベルと行くことになりそうだ。俺たちで魔術師を片付けるから、あんたは超越の勇者にお返しをしてやれ

上級王エメリックの安全を確保したら、合流しよう

ジャカーンと私で騎士団の魔術師を片付ける。あなたはその技で、超越の勇者を倒して

すべてが計画通りにいけば、すぐに終わるでしょう。そうすれば、上級王エメリックは和平交渉の使節を決められるわ

イケてる友よ、油断するな。魔術師は任せろ

そろそろ結界を抜けます！

これでも喰らいなさい！ 危ない！

私が片付ける！

ああ… 顔に当たらなくてよかったよ

ああ、よくやってくれたわね！ 楽しいわ

超越の勇者なんざ敵じゃなかったな！ さすがだ！ 正直に言うと、少し恐いくらいだったよ

さ、レディ・アラベルと話してくれ。俺は彼女が怪我していないか確認する

ふう！ 身体を動かすと血が騒ぐわね。あの魔術師は私を甘く見ていたようね。かわいそうに

とにかく、これで片付いたわ。あとはこのメダルをどうにかして、上級王エメリックに渡すだけよ

少し忙しかったのよ。さあ、船に乗ってキャンプに戻って。私もそこで合流する

メダルを解呪しないとね。その後は… そうね。こういう状況になると、上級王は神経質になるの。それは私が何とかするわ。前にもやったことがあるから大丈夫

ここでできることはもうなさそうだな

キャンプへ戻るぞ。レディ・アラベルと俺とあんたで、ゆっくり勝利を祝うとしよう

心配しないで。エメリックとは昔馴染みだから、長く厄介な戦闘の後、彼を落ち着かせる方法はよく知っているの。こういうこと、割と得意なのよ

長くはかからないと約束するわ。それじゃ、ヴァーデンフェルのキャンプで会いましょう

レディ・アラベル、本当に怪我をしていないのか？ 砦ではいろいろあったからな

平気よ。あなたが産まれる前からこの手の連中と戦ってきたんだから

そこにいたか。ソードレスト島から全員無事に戻れたし、レディ・アラベルは上級王エメリックにメダルを渡したと言っている。万事うまくいった

彼女と話してくるといい。俺が一番好きな話… そう、報酬の話だよ！

戻ったのね！ みんな無事でよかった。あなたとジャカーンなら、きっとレディ・アラベルを探せるって信じてた

きっと、ジャカーンはソードレスト島での冒険について、魅惑の物語を話してくれるでしょうね… 頼まなくても、勝手に

いくつか予想外の展開はあったけれど、私たちはメダルを届けた。和平交渉は予定通りに進められるわ

同盟のリーダーたちは、誰を代表者として派遣してくると思う？ うーん… そう言えば、向こう見ずなリガートにはもう長いこと会ってないわね…

しばらくは無理ね。ハイ・アイルの安全を確かめないと。でも、また超越騎士団が妨害してきたら、誰に連絡すべきか分かってる。見事な手並みだったわね。これは報酬よ。揺るぎなき者の会からのお礼

しかし、面白い冒険だったわね。特に印象深かった出来事を書き記しておかないと。ひとつも忘れたくないわ！ ああそれと、心配しないで。ハイ・アイルの状況が激化してきたら、知らせを送るから。またあなたを頼らせてもらう

ハイ・アイルのことを聞いたことがないの？ …そうか、そうでしょうね。ハイ・アイルは貴族や王族の静養地みたいなものよ。アビシアン海にあるシストレス諸島で最大の島のこと

厳密にはブレトンの領域だけれど、大部分の人は中立地とみなしているわ

そういうこと。とても美しいのよ。私もあそこに屋敷を持っているの。ごく短い期間だけれど、仕事のことを一切考えない優雅な時を過ごすためにね

揺るぎなき者の会は、和平交渉のためにあの屋敷を指定したの。交渉が始まるのが待ちきれないわ

またその話？ 私がその質問にどれだけうんざりしているか分からない？ これ全部、詮索好きの年代記作家が、根拠のない決めつけをしてきたせいよ

あなたが二度と捜査官ヴェイルのことを聞かないなら、私たちはもっと仲良くなれると思うんだけれど

やったな！ ヴェイレシアを助け、メダルを解呪して届けることができた。あの厄介な超越の勇者も倒した。ま、ほとんどの功績はあんたのものだが、俺も少しは役に立っただろ？ しかしあんた、本当にただ者じゃないな

そうだ、レディ・アラベルは報酬をきっちり支払ってくれた。満足だよ

ゴールドが入り続ける限りはな。俺は報酬の多寡で行き先や仕事を決めるからな。…だが今じゃ、少しばかりこの事件に興味が出てきてる。それは認めるよ。超越騎士団にはむかついたしな。この件はもう、人から持ち込まれた案件じゃない。俺の問題でもあるんだ

俺はいつでも気をつけているさ。いつでもな。他人行儀なことを言うな、イケてる友よ。俺にとって、危険な目に遭いそうな時、そばにいて欲しい奴ナンバーワンがあんたなんだぞ？ それが混んでる馬車や小さな船の上であろうとな。狭い場所へ一緒に閉じ込められる相手としても悪くない

まだ先生のことが忘れられないの… 魔術師ギルドから、私が先生に代わってギルドの使節になれって要請がきたんだけど、その話は聞いた？

とにかく、改めて協力に感謝するわ。ジャカーンひとりだったらすべてをうまくやれたかどうか、とても怪しいもの