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書籍

モル・カズグールの歴史

歴史家、カレナ・エスムリー著

モル・カズグールのオークは、オークととしても特に気難しい人々である。この情報を編纂するのは簡単ではなかった。我慢強い鉱山労働者が何人か、私の質問攻めを少々の苛立ちと脅迫だけで済ませてくれなかったら、この記述が可能になることはなかっただろう。

ロスガーを去って以降、モル・カズグールのクランを創設したオークは豊かな鉱山を見つけ、そこに身を落ち着けることにした。当初、鉱山は自給自足できていた。この場所には資源があふれ、オークは定住して生活を軌道に乗せた。彼らは鉱山の周囲に居住地を築き、栄えた。

現在の鉱山の監督官サルスグレグは、長い指導者の家系に連なる人物である。サルスグレグの祖父と父親は、クランの族長を務めていた。彼らは鉱山自体が栄えていた、いわば黄金時代にクランを導いた。クランはかなりの成功を収め、オルシニウムと分断されても快適な生活を送れた。

サルスグレグが父親から鉱山を相続するのは当然のことだと考えられていた。彼がその前に結婚していたことを考えると、奇妙ではある。このクランは伝統に忠実と言えないが、それでもこのことは私を驚かせた。

サルスグレグにとっては不運なことに、父が族長を受け渡す準備を整え始めた頃、モル・カズグールの鉱山は枯渇した。完全な枯渇ではないが、没落は急激だった。かつて栄えたクランは突如として、死滅の危機に立たされたのである。鉱山が枯渇すれば、彼らには何も残らない。

幸運にも、新しい族長が頭角を現した。若く力強いウルジクというオークが、族長の座を求めてサルスグレグに挑んだのである。彼女は勝利し、クランにかつての栄光を取り戻させるため、新しい採掘手法を即座に導入した。

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