スポンサーリンク
書籍

ニクッシャの研究メモ3

ブラック・マーシュの錬金術師ニクッシャ著

南中の月28日

私は何ということをしてしまったのだろう。

私はこの疫病を抑えることができると思っていたが、どれほど努力を払っても病気は急速に拡散していった。緊急性の高さを鑑み、私は研究を急いで進めた。治すべき相手がいなくなったら、治癒など何の意味がある?

だが研究の途中で、私は恐ろしいことをしてしまった。このオアシスはかつて浄化と治癒の場所だったのに、ここもまた病に汚されていた。多くの死体があるせいなのか、単に死のオーラのせいなのかは分からない。だがオアシスは変わってしまった。それも急激に。

死体が起き上がり始め、瘴気が洞窟を満たしている。この日以降、誰一人として生き残る者はいないだろう。ただ謝りたい。こんなつもりではなかった。私はただ自分の愛する街を救おうとしただけなのに。孤独な旅人を受け入れ、あれほど信頼してくれた人々を救いたかった。

ごめんなさい。

コメント

スポンサーリンク