プロローグ

星霜の書は過去の出来事、そしてこの先に待ち受ける未来を示す。

それは俺に多くを教えてくれた。

ねえ、物語はもうやめて、それで槍が研げると言うなら別だけど。
戦長は危篤状態で、敵は再び攻撃を仕掛けようと結集している。
私達は戦いに備えなければならないわ。

もう行こう、ケレン。

目当ての巻物は手に入れたし、ここはまたすぐに戦火に見舞われるよ。

待ってくれ、ナガ。まだ話すことがあるんだ。

槍の乙女よ、真実かどうかに関わらず、物語には驚くべき作用がある。
君はこの物語によく耳を傾けるべきだ。
帝国をほぼ壊滅させた大戦にまつわるものだ。

すべてはハイエルフが帝国のブレイズの騎士を皆殺しにしたことから始まった。

彼らは自らをアルドメリ・ドミニオンと名乗り、同盟者とともにかの地を席巻した。

…帝国さえも占領したんだ。

皇帝は北へ逃れ、シロディールを侵略者に明け渡した。

これは、歴史を変えた忘れられし英雄の物語だ。