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書籍

オンダゴアの日記

第一紀1092年、恵雨の月24日

ついにストリキの墓へ入れた! 見つかるまでこれだけ長くかかったのも不思議はない。迷信深いレッドガードがグレイホストの遺体をヨクダの遺跡に隠すなど、決して予測できなかっただろう。彼らのアンデッド嫌いを考えれば、とても面白い皮肉だ。

それほど静かに動かなくてもいいだろう。パイアウォッチの衛兵は簡単に気を逸らせる。門を越えて先まで進む者は少ない。この墓は独り占めできそうだな! 死んだ吸血鬼を蘇らせるまで、長くはかかるまい。骨の軍団がついに手に入るのだ!

第一紀1092年、栽培の月3日

完全に迷ってしまった。パイアウォッチはここの扉の多くに強力な結界を張っていて、入口へ戻ることが不可能になっている。だから奥へ進むしかない。

第一紀1092年、栽培の月5日

物資は底をつきかけていて、私はまだこの穴と灰の迷路をさまよっている。変身の儀式を実行する前に、下僕の軍団を呼び起こしたかったが。手順を早めるしかなさそうだ。
奇妙だ。聖句箱は手元にあるし、試薬も持っている。なのに今、決定的な瞬間になって躊躇している。きっと飢えのせいだ。私はリッチへ昇り詰めるため、数十年かけて準備してきたのだ。たとえ止めたくても、今さら止めるわけにはいかない。躊躇は餓死を意味する。すぐに儀式を始めよう。

第一紀1092年、栽培の月6日

成功だ。多分。書くのが難しい。心臓の震えを感じる。ずっと。少しでも考えると、手が震える。何かが足りない。そのうちに収まるだろう。収まるはずだ。

第一紀1092年、栽培の月8日

ようやく震えが収まった。だが今は集中できなくなっている。私は何時間も石を見つめて過ごし、絵具を塗ったらどう見えるか想像し、石の構造について思いを巡らせている。私は教えられたとおりに儀式を行った。時が来れば私の心も明晰になるだろう。間違いない。

第一紀1092年、真央の月22日

なぜ誰も手紙をよこさない? なぜ誰も訪ねてこない? 私はこの石と灰の大広間に座り、自分と会話している。よりによって、私自身とだ! 自分と私は、何を話した? いつもの同じ物語か? 同じ使い古しの冗談? 仲間を見つけなければ! 絶対に!

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この本を見つけた。私のものだと書かれているが、そうだろうか? この筆跡には見覚えがない。起きた事も覚えていない。いたずらだろうか。そうだ、また私を愚かに見せるためのいたずらだ。あの連中に思い知らせてやる。夜の間ずっと、壁の向こう側で笑う声に。それとも日中だったか? 両方かもしれない。どちらでもないかもしれない。

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本だ! 本だ! 書ける本! オンダゴアの日記? 何と情けない著者だろう。不満や泣き言ばかり! 全く! しかし、この人物も私よりはマシだろうに! 孤独は嫌いじゃない… 本当だ! だが訪問者がいるなら歓迎だ。多分。礼儀作法にもよるかな? 態度とか? いずれ誰かが呼びに来るだろう。そうだ、そうだ、そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。

<日記の残った部分は判読できない文字で埋まっている>

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