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書籍

スキーヴァトンの改造と運用

見習いザノン著

本論文の成果は370回にわたってスキーヴァトン・ファブリカントの解体と再構成を徹底的に

<ここから7枚分の長ったらしい導入は省いた。金属板に文字を彫る時は簡潔に書くべきだろうに>

標準機能

認識装置: 取り外されていない限り、全てのスキーヴァトンは初歩的な音響および視覚機器よりも洗練された感覚機器を所持している。望遠ロッドに取り付けられた認識装置は検知魔法の波動を放出し、決められた範囲内の関係する物体を調査し探索する。

<標準デザインの中では、これが唯一記載に値する装置だった。匂い分析装置に興味があるなら別だが>

スキーヴァトンの改造

スキーヴァトンはクロックワーク・シティならどこにでもおり、極度に危険な環境にさえ見られる。細工師はファブリカントのサイズの小ささという弱点を、攻撃および防御に活用できる装置を付けることで補ってきた。

ギアの変速: この中で最もありふれた改造は、一時的にスキーヴァトンの速度を向上させる付随的な駆動ギアである。スキーヴァトンが稼働中の装置の内部を移動する必要がある時には、間違いなく役に立つ。

<簡単でいいが、重さが難点になるだろう>

エネルギー吸収: スキーヴァトンは場合によって小型のマジカ蓄積装置を装備しており、これにより一時的に、充填された魂石なしでもエネルギーを貯蔵、転送できる。実践的な用途は理論上無限にあるが、強力な魔法の充填は防御に使うこともできる。

エネルギー放出: 完全に充填された小型マジカ蓄積装置は緊急の場合、一時的に蓄積されたエネルギーを解放し、全方位に純粋な破壊魔法を放出できる。この衝撃は稼働中のコンストラクトに過負荷をかけやすいので、他に手段がない場合か、安全な条件下でのみ使用すべきである。

展開可能な障壁: シャーシを強化したスキーヴァトンのほうが一般的ではあるが、発見した中でそれを上回る防御効果を持つのが、広範囲に投射可能な展開型障壁である。これはスキーヴァトン自身を守るだけでなく、他の無防備な物体も保護できる。

雷撃シャーシ: いたずら好きの、あるいは破壊工作志願者たちは、ファブリカントの外装を通して強力な破壊的雷撃を生成する危険な改造を施している。この電撃は生物にとって苦痛であり、アニムンクリを黒焦げにしてしまう。

回復放射器: 大抵のスキーヴァトンは物理的な修理器具を装備しているが、ある優れたモデルはスキーヴァトンの周囲に回復魔法のフィールドを生成するよう改造されている。これは損傷した金属を修復し、残存熱を取り除き、エネルギー放出を安定させるなど、円滑な動作を維持するための処理を行う。

<改造は素晴らしいが、スキーヴァトン1体の容量に全てを組み込むのは不可能だ。特定の役割に適したものを選ぶ必要がありそうだ>

超身体的操作: 私がリバースエンジニアリングを行ったスキーヴァトンの大半は単純な、あるいは決まった任務を自動的に実行するものだったたが、個人が直接ファブリカントを操作できるよう手が加えられているものにもいくつか出会った。この手の改造には人形師の糸にも似た邪魔そうなワイヤーから、携帯用の音波放出器や、ファブリカントそのものの中に入れる超身体的な「与圧チャンバー」まであった! この改造されたドゥエマーの装置は驚くべきことに存在を純粋な境界エネルギーに変換し、気密性の内室に収める。ファブリカントに接続されれば、そこを占めている者の知性はファブリカントを自分の延長として操作できる。言うまでもなく、これによりかつてないほど正確な操作が可能になるが、巨大なリスクを抱えてもいる。与圧チャンバーが使用されている間にスキーヴァトンが壊滅的な損傷を受けると、ほぼ確実に使用者を死なせてしまうのだ。そもそも再び実体化できるかどうかも分からない。

<超自然的なものを入れるために与圧チャンバーを使うとは考えもしなかったが、驚くべきことではない。音波装置はしばしば、物質と非物質の境界を曖昧にする。これにはいくつかの使い道が考えられそうだ>

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