スポンサーリンク
書籍

ヴィムの日記

日記さんへ

最後に書いてからしばらく経つけど、いろんなことがここで起きているわけではないの。確かに村人たちは友人や家族の誰かがいなくなったと話しているけど、父さんはたぶん病を避けるために去っただけだろうと言っている。ああ、そう、ロドス病の話があるんだけど、私はそれもあまり心配してない。父さんは一族の有力者だもん! フラール家に属する人間を病気にかからせたりしない。とくに可愛い娘にはね(それは私!)

今日はモールボーンの募集パンフレットを見た。街の門の外で配ってたの。助けるためにここにいると言うけれど、あの人たちにはどこか気味の悪いところがあると思う。それに彼らがメンバー全員に着せている服装が嫌い。まるで軍隊か何かみたい。それでも湖のそばでぶらぶらしているカッコイイ顔のメンバーが二人いた。世界を救っていない時は、何が楽しみなのかな? いつか夜にこっそり行って覗いてみるかも

街には見知らぬ人がいる。とうとう話しかけてみたい誰かが! 見知らぬ人に話しかけるのが待ちきれない。遠く離れた土地のできごとを聞き、わくわくする冒険と禁じられたロマンスの物語に耳を傾ける。父さんが見知らぬ人を夕食に招いてもいいって言うかもしれない。それってすごいよね! でもどこか静かなところへ一緒に行けたらもっとすごい。二人だけで。考えてみなくちゃね。実現させる方法がきっとあるはずよ

次のときに話すね、日記さん!

— ヴィム・フラール

コメント

スポンサーリンク