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書籍

マークマイアの諸部族:ブライトスロート

ウェイレスト旅人協会、エマヌベス・フレント著

数ヶ月前、私はマイアダンサーの長老に、ブラック・マーシュの沼地にはいくつの部族が住んでいるのかと尋ねた。
彼は長い間静かに座ったままでいた後(アルゴニアンはよくそうする)、私の背後を指差した。
振り返ると、イトスギの木々の間を何百匹ものホタルが飛び交い、薄暗がりを貫いて緑と黄色の光を発していた。
「あの光と同じくらいだ」と彼は言った。

これはなかなか信じられなかった。
アルゴニアンは大げさに言うことが多いので、長老のこの主張もまた誇張だろうと切り捨てたのである。
しかし現地の人々とさらに時間を過ごした後、あの長老の数え方は当初私が考えたよりも実情に近いと信じるようになってきた。
私はマークマイアだけでも、少なくとも12のはっきりと区別される部族を発見したし、これを遥かに超える数の部族がいることを確信している。
部族の多くは敵対的なので、直接の交流は不可能に近い。
だが彼らの存在を神話や伝説として片づけるには、あまりにも多くの証拠を見てきた。
この日記は私がマークマイアの未開地を探検して発見した記録として使えるだろう。
まずは多くのよそ者が最初に出会うであろう部族から始めよう。

リルモスで少しの間でも過ごしたよそ者の多くは、沿岸に住むいくつかの部族と交流を持つ可能性が高い。
しかし最も注目に値するのは「ワッセーク・ハリール」つまり「ブライトスロート」である。
大まかに言って、この部族はよそ者と沼の奥地のアルゴニアンの両方と実りある関係を好む、陽気な職人たちで構成されている。
ブライトスロートはその豊かな音楽と踊りの伝統、そして商人や外交官、木工職人としての超自然的な才能によって知られる。
彼らは数えきれないほどの品を作っており、その中には楽器や台所用品、鎧や武器も含まれるが、最も尊重されているのは「ジーチキ」つまり「種の人形」である。
この人形の大きさはさまざまであり、オークの拳ぐらいの大きさのものもあれば、米粒のように小さいものもある。
人形はほぼ常に現地の動物をかたどっているが、ブライトスロートは卵や小さなアルゴニアンに似せて種の人形を彫ることもある。

種の人形は非常に珍重されている――お守りとして、また工芸品として。
安物の模造品が競争相手の部族によってよく作られるが、本物のジーチキを手に取ったことがあれば、見分けるのは容易である。
私もここで過ごす間にいくつか購入した。
一番気に入っているのは琥珀が散りばめられた小さな亀である。
彫刻家が教えてくれたところによると、この亀は強大だが手に負えないトーテムであると言う。
私は亀が特別手に負えないと思ったことはないが、それに関してはここの人々のほうが詳しいだろう。
バンコライに戻り、最終的にウェイレストの家へ帰る前にもういくつか買うつもりでいる。

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