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書籍

チャルマン砦に立つ者

ここに集え、誇り高き戦士たちよ。
口を閉ざし、力強く立て。
眠るものに頭を垂れよ、
彼らはチャルマン砦の大地の下に。

戦いの炎が大地を焦がし、
無慈悲な手がすべてを破壊した。
玉座を狙うドミニオンの兵士たちの中で、
チャルマンは臆することなく、ただそこにあった。

蹄の音が草原にとどろき、
死がすべての者に近づいた。素早く、揺るぎなく。
守護者たちはチャルマンの防壁に立った。
勇敢なる戦士たち、それはカバナントの英雄たち。

前方からドミニオンの軍団が押し寄せた。
アルケインの魔法と輝く剣を携えて。
攻城兵器のうなりが、壁を揺るがし、
破城槌が砦の門に打ち付けられた。

侵略者の集中砲火に外門が破られた。
エルフとカジートが中庭に突撃した。
その攻撃で内門もまた奪われた。
襲撃者は、死体とがれきを跳び越えた。

守護者たちは己の力を知らしめた。
魔法の閃光が広がり、死が与えられた。
怒りが侵略者たちの頭上に降り注いだ。
カジートとエルフ、すべての命を奪うまで。

休息の時はない、回復の時はない。
門と城壁の裂け目をふさがなければ。
すべてが修復され、元に戻った。
その時新たに、激しい攻撃が始まった。

またも、すさまじい戦闘が繰り広げられた。
戦う者たちに死が与えられた。
砦の中に混乱が広がり、
砦を埋め尽くし、死体が山となった。

ドミニオンの軍団はまたも敗北し、
ふたたび流血の波は引いた。
オーク、レッドガード、ブレトンたちは生き残った。
チャルマン砦の誇り高き生存者たち。

ドミニオンの戦士はもう一度攻撃を開始した。
これまでよりはるかに多い軍勢で。
疲弊した守護者たちをなぎ払い、
最奥の広間にたどり着いた。

英雄たちは壁際に追い詰められた。
ドミニオンの勝利の声が高らかに響いた。
そのとき混乱とともに、突然パクトがなだれ込み、
戦いに疲れた敵軍を見渡した。

カバナントとパクトに挟まれて、
エルフとカジートは勇敢に戦って死んだ。
残ったのはパクトとカバナント、
そして、守護者がふたたびその場を一掃した。

一息の間、短い休息。
今やカバナントが優勢となった。
ドミニオンが最後の攻撃を開始した。
数えきれない兵士の波が押し寄せた。

勝利を固く決意する者。引くことを断固拒否する者。
ドミニオン軍は引くことができなかった。
守護者は最後の1人まで戦う覚悟だった。
剣の一振りごと、呪文の一唱ごとに敵を倒した。

一人ずつ、勇ましい戦士が倒れていった。
ブレトン、レッドガード、オークが立派に戦い死んでいった。
チャルマン砦に捧げられた彼らの命、
彼らは永遠の名誉の中、眠りについている。

ドミニオンの旗が広間に掲げられた。
それからドミニオンの皇帝がすべてを支配した。
チャルマンに平和が訪れ、砦は修復された。
戦士たちは各地へ散り散りに。

皇帝は去り、その治世は、はるか昔。
今では何が残っている? 何が続いている?
チャルマン砦に立ち、死んでいった者が、
最後に示した勇気だけ。

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