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書籍

2920年、第3巻

2920: 第一紀 最後の年

カルロヴァック・タウンウェイ著

2920年 暁星の月21日
モーンホールド (モロウウィンド)

「なぜ私があげた緑のローブを着ない?」と、モーンホールドの公爵は若い娘が服を着るのを見ながら聞いた。

「合わないからよ」トゥララは笑った。「それに、赤が好きなのを知っているでしょう」

「合わないのは、太り始めているからだ」と、デュークは笑い、彼女をベッドに引き込み、胸や腹部に口づけをした。くすぐったくて彼女は笑ったが、起き上がり、赤いローブを羽織った。

「女性らしく出るところは出ているのよ」と、トゥララは言った。「明日会える?」

「いや」と、デュークは言った。「明日はヴィベクをもてなさなければならない、そして次の日はエボンハートの公爵がここを訪れる。アルマレクシアが居なくなるまで、私はアルマレクシアと彼女の政治手腕を大切に思っていなかった。信じられるか?」

「私と同じね」トゥララは微笑んだ。「私が居なくなって初めて大切に思うのよ」

「そんなことはない」公爵はせせら笑った。「今、大切に思っているさ」

トゥララは扉を出る前に、公爵に最後の口づけを許した。彼女は彼の言った言葉を考え続けた。彼女が太り始めているのは彼の子を宿しているからだと知ったら、彼はどれだけ彼女を大切に思ってくれるのだろうか? 結婚するほど大切に思ってくれるだろうか?

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