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書籍

立派なアルアザル、その行い

「幼きファハラジャード王子に語られた歴史の歴史」より

王子よ、以下をお知りおきくださいますよう。この国が第二帝国の属州となった時も、ハンマーフェルではフィロシッド朝が支配をしていました。この王の家には賢い者も愚かな者もいたのですが、誰もが気高くありました。そして家の最後にあたる上級王アルアザルは中でも最も気高い王でした。というのは、一時クラウンとフォアベアーの兄弟同士の争いを終わらせたからです。

どうやって実現したかって? しっかり聞いてください、そうしたら物語を話してあげましょう。

優れたアルアザルの優れた父、ジャフルールの逝去にあたり、ヘガテの王子はその直後にヘガテの王座を引き継ぎ、ダイアグナの王冠をいただき、ハンマーフェルの上級王の称号を得ました。そしてハンマーフェルの貴族全員が、ヘガテに敬意を表して逗留したのです。しかし、新しい上級王はろくに髭も生えていない若さでしたが馬鹿ではなく、貴族が忠誠心を見せるのは雲に対するのと同じことで、見えてはいるが実質はないとよくわかっていました。というのは、アルアザルはクラウンだったので、フォアベアーの貴族は彼をあまり好きではなく、クラウンの貴族は彼の父親がフォアベアー家を潰さなかったので、彼をあまり信用していなかったからです。そしてアルアザルは板挟みでした。上級王としてハンマーフェルを支配しなければならないのに、得られる支持はお産を終えたばかりの女と同じくらい弱かったのです。

そこで立派なアルアザルは自分の高い塔から雲ひとつないアビシアンを眺め、多くの祈りを祈り、多くの思案を思案しました。そしてまもなく王の教師にして精神的指導者であり、サタカルの女司祭、そして高名な賢人でもある素晴らしきザキーブのことを思いつきました。それで聖堂へ行き、素晴らしきザキーブにクラウンとフォアベアーをどうやって和解させるか、謎を解くことができないと話したのです。すると素晴らしきザキーブは王に神酒を与えて言いました。「今晩それを飲みなさい。王様、そして夢を見なさい」と。神酒を貰って、立派なアルアザルは感謝しながら引き返し、言われたとおりにしました。

そしてその夜、立派なアルアザルは世界の蛇サタカルの夢を見ました。サタカルは蛇の頭の最高顧問の姿をしてやってきました。そして最高顧問は上級王に敬意を表しました。というのは、この謎を解けるのは立派なアルアザルだけだと言ったのです。そして2回、1枚の舌で1度ずつ語られた答えは、ターヴァ、フォアベアーからもクラウンからも敬意を受ける神の祠にあるというものでした。

その時、アルアザルはオオタカの鳴き声を聞きました。この鳥はターヴァの聖鳥です。そこで王は目覚めると、夜明けになっていました。ヘガテにあるターヴァの祠へ急いで赴くと、そこにはオオタカのフレスコ画があり、ターヴァがつがって巣にいる姿が描かれていました。そして、かつて巣には1匹の連れ合いが描かれていたのが今は2匹になっていて、2匹目は朝の光に輝いていました。そしてアルアザルは言いました。「本当に神は私に答を示してくださった。フォアベアー一の貴人、センチネルのエブラヒムには美しくしなやかな娘、フェレスターがいるではないか? そしてクラウン一の貴人、リハドのムラードには積極的で賢い娘、アーリマヘラがいるではないか?」

そしてこれでアルアザル、王子様の立派な大叔父様のお話はおしまいです。王子様は物わかりがよく、上級王がどうやって謎を解いたのか、ご自身で思いつかれるとわかっていますから。

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