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書籍

連続した真実 第12巻

「巻かれ続けるメインスプリング」の第四トゥールビヨン、デルドライズ・モーヴァインの説話からの抜粋

私は言葉で歯車を巻く。

私は連なった言葉を語ってきた、セトの子よ。お前の眼を後のニルン、避けられぬ壮大な最後のタムリエルへと導いてきた。アヌヴァナシ。憂慮すべき警告を叫び、無限の曲線の秘密を囁いてきた。今、私のエンジンは衰えた。最後の祝福を授けよう。車輪を作り、車軸に取り付ける歌を歌う者よ。古い機械を粉砕し、自然のままの、忘れられしアービスの鉱石から新たな真実を精錬する、恐れを知らぬ星を数える者たちよ。この究極の教えに耳を傾けよ。

最後のタムリエルは、壮大で恐ろしい方法でお前を変えるだろう。アヌヴァナシ。溶融真鍮が鋳型の中で冷めるように、お前の身体も新しく、硬化した形状を獲得するだろう。水が蒸気へ変化するように、お前の精神のつまらぬ偏見も分散し消えていくだろう。油が発火し、エンジンに力を与えるように、お前の魂も明るく輝き、永遠の車輪を動かすだろう。最後のタムリエルの結束は、我々の自己中心的な追求や嫉妬深い意志を洗い流すはずだ、灰の子よ。アヌヴァナシ。輝かしい後のニルンでは、我々が「私」と呼ぶ、ニヤニヤと笑う姿を追い払わねばならない。そうして初めて「巻かれ続けるメインスプリング」の荘厳な真実を知ることができる。無秩序の終焉を求めるなら、変化の道を歩かねばならない。そして全ての道に歩く価値があるように、それは心を喜びと恐怖で満たす。

我々は何とエトアダの歯車に似ていることか。人生を隔離された悲しみの中で、無駄に生きて満足している。その間ずっと砕かれた魂が、苦しみに泣き叫んでいることに気づかない! ニルンの寂しい海岸を見よ。壊れた眼で何が見える? 浜辺か? 海か? 偽りと虚栄心! 名のある錯覚! 分離した粒子が必死に凝集したのでないなら、「浜辺」は何のためだ? 単独の涙の動揺した塊でないなら、「海」とは何だ? 分離している! 壊れている! 傲慢で無益だ!

たとえこの説話について沈思黙考した後でも、前のニルンにしがみつく者は存在する。お前は薄く惨めな「自己」を失うことを恐れている。この子供じみた恐怖を捨て去れ! 時間を越えて待っているものの出発点で燃え尽きるなら、「自己」が何になる? 謎の父が我々の世界を終焉の向こうへ導こうとしているのが分からないのか? 我々を滅ぼそうとしている「肉体から作られた嘘」から守ろうとしているのが? たった一つ覚えるなら、これを覚えよ。祝福されたクロックワークの神は激しく、素晴らしい心でお前を愛する。彼が行うことは、お前と彼の聖なる模範に従う者全てのためだ。

持続する喜び。合一の平和。完璧なリズムの崇高な満足。誠実な労働。永遠に回転する祝福された車輪のスポークの産物だ。「巻かれ続けるメインスプリング」は完全を提供する。セトの子よ。ただ中を見つめれば良い。石炭をくべろ。ボイラーに真水を加えろ。ボルトをきつく締め、信じろ。最後のタムリエルが待っている。アヌヴァナシ。

私は言葉で歯車を巻く。

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