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書籍

ランセル王の真の運命

ショーンヘルムの王室書記官、セリナル・ガーン著

歴史は勝者によって記される。したがって、ランセル王が後世どう記憶されるかは簡単に想像できる。だが、私の仕事は一貫してランセル王に関する記録を残すことだった。状況が変わった今も、少なくとも私の意識の上では、それは変わっていない。先走りすぎているようだ。申し訳ない。最初から説明させてほしい。

およそ1年に及ぶ戦闘の後、エメリックと彼の仲間たちによって、ランセル王の軍勢は敗退に追い込まれようとしていた。ブレトンの部隊とオークの部隊に挟まれた我々は、マルクワステン・ムーアでの決戦に向けて準備を固めていた。後世の歴史では、その日ランセル王がどのように敗北したのかが語られるだろうが、それは誤った歴史だ。まったく異なった運命が、ショーンヘルムの君主に降りかかったのだ。

ランセル王の軍勢のほとんどが荒野の戦闘で失われたのは事実だ。しかし、ランセル王は少数の兵と側近を伴って逃亡に成功し、崩壊したショーンヘルムの街を見下ろす名もない岩山の頂上にたどり着いた。

その岩山で、ランセル王はエメリック王と卑怯な仲間たちを倒すための最後の計画を実行に移した。聡明なるランセル王は、宮廷魔道士のリーザル・ジョルから授けられたアルケインの儀式を使い、最も忠実で献身的な自分の部下たちを何世代にも渡って戦える戦力に変えた。だが、儀式の最終段階には血の犠牲が必要だった。ランセル王を裏切った将軍が、自らの君主を殺した。その将軍の名は二度と口にされることはなく、将軍は永遠に忘れ去られる。その時、王族の血が儀式を稼働させ、我々の変化を導いた。

正直に言うと、王族とは程遠い私には、ランセル王の計画の複雑さを完全に理解することはできない。王の儀式によって、我々は全員不死の兵となった。王の側に永遠に仕える、不死のスケルトンだ。だがランセル王は、すぐにエメリックの部隊を攻撃させるのではなく、この地を強化し、岩山を守る用意を固めるよう命令した。

「この岩山が私の玉座だ!」ランセル王は宣言した。「この場所から、永遠に私が統治する!」

ランセル王と、彼に仕える兵たちの真の運命が、これでお分かりだろう。書記官としての努めは終わった。我が君主は、それよりも守りを固めることを望んでいる。岩山を出てショーンヘルムへ向かう命令がランセル王から下されるまで、この記録は塔の中へと安全に保管しておこう。

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