「アワスに知らせないと。コスリンギがすぐそこまで!」 2人のアルゴニアンが視線を交わす。その黒い目が動くと、陰の中でほんの少し光って見えた。 「もう行く」と興奮気味に言うと、サナックスは濁った水の中へ消えていった。 ゆっくりと彼女の後を追いかけるジューネイ。沼地の畔は燃えており、アルゴニアンの目しか見通せないほどの濃い煙が上がっていた。 気のせいではなかった。振られた斧がキラリと光ったのだ。息の詰まるような声を耳にしたが、その後は何も聞こえない。不格好な乾燥肌がこんなに静かに動けるなんて誰が思っただろうか? ジューネイは誓いを立て、ザンミーアへと続く泥道を見つめた。先は長く危険に満ちていたが、彼はアワスに知らせる必要があった。 ジューネイをその道に追いやった奴らは、武器を振り回しながらもほとんど音を立てない。ザンミーアの石の建造物が視界に入ってきた時、彼は尻尾を掴まれ、地面に引き倒された。 彼を殺そうと汚れた斧を持ち上げていたのはコスリンギの悪漢であった。彼は叫んだ。その時だった。コスリンギのナイフが飛んできて悪漢の喉元に突き刺さったのだ。 泥の中から現れたのはアワスだった。彼女はナイフを回収するとジューネイに手を差し伸べた。 「どうしてここに?」ジューネイは息を飲んで、コスリンギのナイフに注意を向けた。 「ヒストの夢で得た教えよ」と小声で言うとアワスはさらに続けた。「敵を真に理解するには、敵の武器を使えって」 アワスをじっと見つめたジューネイは、死んだコスリンギの斧を手にする。そして彼らは足早にザンミーアへ向かうのであった。
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