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書籍

狼の塔

ソリチュードの石工による概説より

愛する祖国の建築とスタイルについて、最初の資料から更新する機会はあまりなかった。。そして今、私の羽ペンは好奇心に震えている。私の人生において5つ目の補遺を加えられるからだ。それもドール城のような、建築の模範例に関するものを!
私の概説の忠実な読者は主砦、スヴァートルの塔、神々の聖堂、ソリチュードの地平線まで塞ぐ城壁についてよく知っていることだろう。我らの上級王スヴァーグリムは、この石の拳に指を付け加えることが適切だと考えた。今までで最も野心的な案で、建設が始まってから1年も経っていないが、もう完成に近い状態となっている。

この新たな巨大建築は「狼の塔」と呼ばれ、ソリチュードの紋章を飾る高貴な獣にちなんで名づけられている。何と壮観なことか。天を高く押し上げ、スヴァートルの塔さえも小さく見せている! この城の建築に元々使用された石を供給した採石場が、狼の塔の建設にも石を供給できたのはとても嬉しい。資源が枯渇しているという報告は、どうやら事実無根のようだ。

狼の塔の素晴らしい建築について考察するつもりで胸を高鳴らせていたが、残念ながらそれはできない。現在作業を行っている者以外、塔への入場は全て拒否されている。私は研究範囲を示してブルー・パレスに特例を願い出たが、役人どもは拒絶したのだ。私はひるまずに請願を続けたが、どこぞの名もなき小役人からではなく、上級王その人からの返事を受け取った衝撃はご想像いただけるだろう!

「偽王ジョルンが詮索している現状では、狼の塔の内部について秘密を保たねばならない」。上級王スヴァーグリムはこのように書いていた。塔は軍事的に重要なものであり、上級王の実際的な理論を否定することはできなかった。だが、まだ希望はある。「私がこの書状を書いている今も、塔は完成に近づいている」。上級王スヴァーグリムはこう続けた。「完成した暁には、我々の民にとってこの巨大建築物がどのような成果となるか、ソリチュードの人々も理解するだろう」

我々に必要なのは待つことだけだ、忠実なる読者諸君!

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