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書籍

本物の捜査官ヴェイル?

人気のあるミステリー小説「捜査官ヴェイル」の、秘密主義の作家を追う。
流浪の年代記作家アダンドラ著

捜査官ヴェイルの事件を詳しく描いた人気のミステリー小説は、何百万冊も売れている。有名なブレトンの探偵の冒険はダガーフォールだけでなく、ウィンドヘルムやスカイウォッチでも引っ張りだこである。だが他の作家とは違って、捜査官ヴェイルの作者は自作の素晴らしいヒロインと同じ舞台に立とうとはしない。実際、彼女が誰であるのかは今まで不明だった。

この逃亡中の年代記編者は、ダガーフォール・カバナントの諜報部門であるダガーの環の元メンバーの話を聞いてから、この謎の調査を始めた。この元メンバーは、話によれば手練れの密偵というだけでなく、凄腕の探偵、熟練の戦士、勇敢な冒険者でもあった。この傑出した女性を調査するほど、私の頭の中には小説のヴェイルが浮かんでならなかった。この女性に会わねばならず、私はアラベル・ダヴォーの追跡を開始した。

アラベル・ダヴォーは第2紀527年にウェイレストで生まれた。彼女は高貴な家で育ち、ハイロックで最高の学校に通った。やんちゃな若者、反抗的な十代だった彼女は、15歳で家を出て傭兵部隊に加わり、リーチから押し寄せた侵略者からハイロックを守る手助けをした。獅子の守護団に落ち着くまで、彼女は大陸中で数多くの戦闘に参加した。第2紀560年までには隊長の地位を得て、獅子の守護団の精鋭部隊を指揮した。そこでウェイレストの王にして未来のダガーフォール・カバナントの上級王、エメリックの関心を引いた。

今では、アラベルの業績はヴェイルの物語の最も奇抜な部分で読める。彼女は山賊王を片づけ、トロールを襲撃し、上品かつ堂々とした態度で敵勢力に立ち向かったと報告されている。噂によれば彼女には、1ダースの街、都市、寄港先に、あらゆる種族や性別の恋人がそれぞれいたという。彼女の人生は冒険そのもので、戦闘で敵に向かうように冒険へと立ち向かっていった。スキャンダラスな話でさえ、エメリック上級王を彼女とロマンティックな形で結びつけた。彼の護衛として仕えていた数年間は特に。真実はどうあれ、アラベルがエメリックの目に留まり、ダガーの環が創設された時、最初のメンバーとなったのは明らかである。

50歳になって、アラベルは人生の新しい章を始めることにした。彼女はダガーの環をきっぱりと引退し、世界旅行を再開し、仕事の一環としてしか見てこなかった人々や場所を、楽しみのために訪れるようになった。今の彼女は、陰謀、密偵工作、戦争の噂を扱うには「年を取り過ぎた」と主張し、有閑婦人となって特別室を確保し、異国の地を点々としながら、長く豪勢な日々を過ごしている。私はオークの都市オルシニウムで、彼女に追いつくことができた。

年代記編者: アラベル・ダヴォー、素晴らしい物語を読んでから、あなたにお会いできてうれしく思います。リバー・トロール4体を片手で倒して、カーボルの洞穴の人々への攻撃を食い止めたのは本当ですか?

アラベル: 実際には沼トロール6体だったんですが、報告書で自慢したように思われたくなかったんです。

年代記編者: 並外れた人生を送ってきましたよね。傭兵、冒険者、兵士、密偵。今は新しい情熱をもっておいでですね。読者に説明していただけますか?

アラベル: 今夢中なのは、旅行と観光ですが、読者がツアーガイドとしての冒険について聞きたいのなら…

年代記編者: 恥ずかしそうなふりはやめてください。私が言っている情熱が何についてのものか、ちゃんとわかっておいでのはずです。捜査官ヴェイルから始めましょう。

アラベル: あら、それで会いに来てくれたんですね。大人になってから、犯罪とドラマの大胆な物語が好きになったんですよ。はっきり言って、捜査官の下品な様子が大好きですね。お分かりでしょうが、昔の血が騒ぐんですよ!

年代記編者: いやいや、アラベルさん。認めましょうよ! あなたは捜査官ヴェイルの作者でしょ。

アラベル: 作者? 私が? この細い指が、何時間も羽根ペンを握ってがちがちにこわばっているように見えますか? 私の手にインクの染みがありますか?

年代記編者: でも、あなたがご自身の業績をモデルにしてヴェイルを作り上げたのは本当じゃないんですか? 薄いベールを羽織って、エメリック上級王の密偵として活躍していた時代の自伝だという説は?

アラベル: すごい想像力をお持ちですね! あなたこそ、ヴェイルのすばらしい冒険の作者じゃないんですか?

年代記編者: 私? ばかばかしい! 私はニュースを伝えますが、複雑なフィクションを創作することはしませんよ!

アラベル: そういうことにしておきましょうか

年代記編者: でも、あなたが謎解きにまだ手を出しているというのは本当じゃないんですか? どんな犯罪や陰謀が現在地元の権力者を困らせているのかに基づいて、訪問先を選んでいるというのは?

アラベル: 私が? 気づきませんでした。

年代記編者: なんと! あなたは「捜査官ヴェイルとハイロックの革命」の中で、エメリック上級王とともに「ダガーを鞘におさめる」役割を果たしたことを、事実上認めましたね!

アラベル: そんなことはしてません! それに、エメリックのダガーだったら、もっと正確に、剣として説明されているはずです…

年代記編者: ほら! また認めましたね!

アラベル: ご自分がお感じになったことを、なんでも書くのがよろしいでしょう。私はオルシニウムの衛兵のゴーザ隊長とディナーをご一緒することになっています。好色なオークと会うのは久しぶりなんですよ。彼女は博物館の盗賊を捕らえるのに苦労しているという話です。

年代記編者: 誠実な読者のみなさん。レディ・アラベルは捜査官ヴェイルの作者であることを告白しました! 有名な探偵にふさわしい事件が、これで解決です!

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