海はサーペントの舳先の前に割れ 風は黒い布の帆船に捕らえられた 打ち鳴らされる鼓は漕ぎ手の苦悶を隠し 海の悪魔が後を追って泳いだ 暗い雨が寡婦のベールのように降り注ぎ 稲光と雷鳴を従え 虐殺者ヴィスカルネは船の舵輪を掴んだ。 砕け散った千の物語の悪党。 彼は膝をついた者も容赦なく刃にかけた 若き者、弱き者、病人、老人をも その心の残忍さはしばし語られ その刃にまみえた者は、決して癒えることなし 残忍な艦隊の標的はサンホールド オルグヌム王が求め続けたアルトマーの獲物 かつてグリフォンの翼を授けられた黄金の港 語られずにはおかれぬ勝利 ヴィスカルネは船を乗り入れた、と我らが先人は歌う だが港はもはや空っぽ、動くものとてなし 焼く船もなし、殺すべき無実の者もなし サーペントの苦い一突きを味わう者はなし すると丘にそびえる宮殿より 黄金をまとった一軍が突撃した 北からのアルトマーの圧倒的な波 マオマーの冷気に太陽のぬくもりをもたらすため 彼らはヴィスカルネの副官を次々殺し 虐殺者の艦隊は港にて燃え上がった マオマーは彼の敗北を知り 彼の勢力は斃れ、その無力を示した
蛇の王(17編)

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