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書籍

マッドクラブの変わりやすい性質

最初に記録されて以来、タムリエルでよく見られるマッドクラブは常に、凶暴で危険ではあるが、丈夫な熊手があれば平凡な農民でも撃退できると記述されてきた。マッドクラブのキチン質は錬金術師のいくつかの学派によって珍重され(私自身は決して使わないが)、またその肉はタムリエルの一部地域、特にモロウウィンドでは珍味とされている。

その性質から言って、マッドクラブは自分の川や小川、浜辺を、自分たちの縄張りにとっての脅威と見られるものから守ろうとする。マッドクラブは密集する傾向にあり、恐れることなく近寄る者を攻撃し、自らの戦闘能力について過剰な自信を持つ。怒ったマッドクラブを追い払うことができるのは、弓矢か斧の狙いすました一撃だけである。

ビョルサエの海辺にいる個体を研究していた時、私はここ数ヶ月における奇妙な傾向に気づいた。通常であればマッドクラブに気づかれないよう気をつけて進む必要があり、そうしないと検体を殺さなくてはならなくなるのだが、最近では接近して観察できるようになり、それどころか甲殻を撫でても反応しないのである。

先週、私はマッドクラブの集団の真ん中に座り、妨害を受けることもなく、離れた場所からの研究では見逃しやすい細部を熱心に記録した。しかし、マッドクラブは完全に無害ではない。直接に刺激されれば反応するのだ。私は熊が1匹をこじ開けようとした時、群れ全体が仲間を守ろうとやって来て、熊を退散させたのを観察した。

マッドクラブたちは私に気づいていると確信している。知らないからではないのだ。うち1匹はこっちにやって来て、触角を私の手に走らせさえしたのだ。まるで私のほうが研究されているみたいではないか! いったい何が変わったのだろう? 繁殖期なのだろうか? 水の中に何か、彼らの行動に影響を与える成分でもあるのだろうか? 忙しい時期が影響しているのだろうか? さらなる発見のために、観察を続けるつもりである。

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