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書籍

神聖執行局

ノルド文化交流探検隊、巨人殺しのアクスルファ著

私はこれまでノルド文化交流探検隊の一員として幅広く旅をしてきた。敬愛すべきエボンハート・パクトと関わりのある土地は、モロウウィンドやブラック・マーシュも含めて全て訪問した。オークの住むロスガーも探検した。しかし、私をどこよりも最も苦しめたのは、横柄なハイエルフの住む島サマーセットだ。普通なら誰でも気に入るリガートでさえ、あの自惚れていて耳のとがったミルク飲みの連中を嫌っているほどだ! 彼らに対してどんなに苛立っても、私はできるだけ寛大に振る舞い、斧で襲わないよう努めている。

塩水と虚偽の匂いがするこの地に到着して初めての仕事は、とにかく法と秩序に関する情報を集めることだった。いくら平和と外交の旗を掲げて来たと言っても、私たちがノルドであることに変わりはない。ハイエルフに嫌われている理由がパクトと関係しているせいなのか、それとも彼らと見た目が違うせいなのかは分からないが、代表団のメンバーがうっかり決まりを破って、そのせいで外交問題が起きないようにしなくてはならない。島には十分すぎるほど衛兵と治安官がいるが、本当に権力を持ってるのは神聖執行局というおかしな名前の者のようだ。

神聖執行局は、アイレン女王とドミニオンの準軍事的組織であるサルモールに忠実な、権限を与えられた執行官で構成されている。サマーセットでは神聖執行局が法と秩序の象徴であり、宗教的・世俗的な法を守らせる責務を負っている。トリビュナルのオーディネーターに似ているようだが、不気味な仮面や派手な鎧は身につけていない。メンバーの一人、陰気だが気さくなルリオンという名の司法高官に話を聞くことができた。

司法高官ルリオンは、神聖執行局の主な役目が、犯罪や違反における調査官、議論や争いにおける仲裁役を務めることだと説明していた。神聖執行局は彼が言うよりもさらに幅広い権限を持ち、世俗の法の番人であるだけでなく、宗教的および社会的道徳規範の保護者であるような気がした。追求すると、彼は事態が地元の衛兵の手に負えなくなると自分たちが呼ばれるのだと認めた。最後に「調査の必要があるので出掛けるよ」と付け加えて立ち去り、私は兎のミートボールとハチミツ酒の昼ご飯を食べた。

アリノールの街をぶらついていると、ルリオンが常に私の見える所にとどまって神聖執行局の仕事をしていることに気づいた。商人と客の間で起きた口論を、両者から話を聞いた後で拘束力のある裁定を下して事を収め、両者が受け入れた後で立ち去るのを見た。その後で、スリが貴族の財布を盗んでいるところを捕らえ、その犯罪者を街の衛兵に引き渡した。こうした中でずっと、彼は私に目を光らせているような気がした。よそから来た滞在者を観察するのも、神聖執行局の執行官の仕事に含まれるのかもしれない。私はそれでも構わなかった。それに、彼が常に近くにいることで、食事時に彼を探すのが楽になった。

司法高官ルリオンは、ハチミツ酒が好きだろうか?

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