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書籍

ブラックウォーター戦役、第3巻

グウィリム大学歴史学者、ヴァレンカ・アルヴィーナ著

第一紀2816年になると、ブッコ将軍の軍団は歩兵隊6部隊にまで縮小していた。
しかも戦いが続くうち、どれ一つとして万全の状態ではなくなっていた。
終わりなき襲撃に疫病、謎めいた失踪などが重なり、絶望と悲観が常態化するようになった。

援軍がない限り敗北は必至と見たブッコは、ブラック・マーシュにもう一軍団を展開することを要請した。
新しい部隊を前線に送って追い詰められた部下たちを休ませるのではなく、ブッコは彼らに「レマン街道」(後の沼街道)の建設を行わせた。
この道がどこに続くのか、これが将来の紛争にどう貢献するのかを知る者はほとんど誰もいなかったが、ブッコは舗装されて警備された道路が戦いを助け、戦況を帝国軍へ有利に傾けると確信していた。

理論上、この道路はインペリアルにとって願ってもない恩恵であるはずだった。
帝国軍にとって、物資の不足は長らく悩みの種だった。安全な物資の流れがあれば兵を頻繁に交換でき、食料や水、装備の流入も阻害されなくなる。
だが、街道が完成することはなかった。

レマン街道は工事の開始とほぼ同時に攻撃を受けた。
アルゴニアンの波状攻撃が作業員たちを日夜襲い続けた。
盾と槍で武装すべき兵たちは、シャベルと鎖で身を守らねばならなかった。
兵士たちはまた、疲労と沼風邪に倒れることも多かった。
街道は前線まで半分の距離を建設したところで放棄されてしまった。
沼街道の計画はブラック・マーシュ侵攻が苦い失敗に終わった後も、「ブッコの愚行」として記憶される。

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