グウィリム大学歴史学者、ヴァレンカ・アルヴィーナ著
ブラック・マーシュの侵略が第一紀2811年に始まった時、帝国軍は勝利を確信していた。
インペリアルはアルゴニアの戦いで決定的な勝利を得ていて、他の衝突も同様の結果に終わった。
これらの戦闘は一方的であり、アルゴニアンたちが多数の負傷者を出したのに対して、インペリアルにはほとんど疲労の色さえ見えなかった。
第一紀2811年蒔種の月、トカゲの民は全面的な退却状態にあり、ブラック・マーシュ内陸の薄暗い奥地に逃げ込んだ。
帝国はこれを好機と判断し、アルゴニアンたちが態勢を立て直す前に総力を挙げて侵略を試みた。
部隊は若く人望のあるアウグリアス・ブッコという司令官に率いられていた。
ブッコはシロディールで名を知られた人物だった。
その麗しい外見と巧みな弁論術により、彼は前例のない早さで帝国軍の階級を駆け上がったのである。
25歳になる頃、ブッコはすでに将軍の証であるダイヤモンドを身につけていた。
将軍の印を受け取るに際して、彼は実質的にシロディールのどんな場所の軍団も選択できた。
ブッコが指揮することを決めたのは、ブラック・マーシュの第四軍団だった。
他の歴史家たちはなぜブッコがこのような陰鬱で危険な仕事を選択したのかについて、無数の理論を提供してきた。
私としては単に、プライドが決定的な要因だったと主張したい。
ブラック・マーシュの国境沿いにおける帝国軍の活躍の噂が、第一紀2811年恵雨の月にはすでに、帝都の宿屋や街路に届いていた。
沼地の征服を大将軍への昇進への機会と見ていたブッコは、ブラック・マーシュでの戦争が短期間の大勝に終わるだろうと確信し、貪欲にも第四軍団指揮官のマントをまとったのである。
彼の判断は完全に誤っていた。
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