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書籍

アヌラーメの涙

かつて存在した輝く街、イロキルに、輝く王女、アヌラーメがいた。彼女の比類なき美しさ、気品、知性はアイレイドの貴族全てから嫉妬されていた。

やがて彼女は遠方の大きな街の王子と結婚し、タムリエルをまたぐ同盟が期待された。王子は強い身体と不屈の誇りで知られていたが、妻となったアヌラーメを深く愛していた。

しばらくの間2人は幸せだった。少なくとも、そう見えた。だが年月を重ねるうち、アヌラーメと夫の距離はどんどん広がり、情熱に代わって退屈な義理が生まれた。

やがてアヌラーメは、イロキルの若いチャンピオンと恋人になった。強く、若い光と力で輝くアヌラーメの恋人は、年老いて気持ちの離れた王子には与えられないもの… 心躍るスリル、そして友情を彼女に与えた。

アヌラーメは、夫を恥ずかしめてはいけないと感じ、最初は浮気を秘密にしようとしていた。しかし、情熱の気まぐれな風に惑わされ、どんどん大胆になっていった。やがて彼女の戯れが明らかになった。

アヌラーメの夫は激怒し、妻を拒絶し、全軍をイロキルに送り込み、街を包囲した。アヌラーメは断固として夫と対決すると決意し、恋人に街を守るために軍勢を集めるよう頼んだ。彼はその願いを聞き入れた。

しかし戦争が始まった時、彼女の恋人の軍は、夫の軍の味方になっていた。彼の不滅の情熱は、金で買収された。

恋人の裏切りに絶望し激怒したアヌラーメは、敵を蹴散らし街を守る手助けを、デイドラに求めた。メファーラはそれに応え、アヌラーメに全ての涙を器にためるよう命じた。そしてメファーラは、その涙を裏切り者の恋人への王女の怒り、王女の強い愛から生まれた怒りの力で満たした。

力を帯びた涙はアーティファクト、「アヌラーメの涙」に姿を変えた。戦いが始まり、アヌラーメは街で一番高い塔にアーティファクトを運んだ。街の壁の外で暴れる軍に向けて、彼女はその力を解放した。瞬く間に、軍勢と街は破壊された。

イロキルの残骸とアヌラーメ自身が荒れ果てた墓地となったが、アヌラーメの涙は破壊されておらず、瓦礫の中に眠ったまま見つかっていないという噂が、ずっと長い間残っている。

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