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書籍

タムリエルのカリグラフィ、第七章

ヴァレンウッドのインク

アリノールのアラーニャ著

よく見逃される事実だが、インクの使用は書道家以上のことをする。管理された環境で、芸術家は正確に色と形を理解し、ページを越えて読み手に伝えられる。天気や気温のような外部の要素が、書道家が必要とするものを著しく変えてしまうことがあることは忘れられやすい。

例えば、深いヴァレンウッドの熱と湿気の中で、正式なアリノールの書道では一番広く使われている精巧な真夜中のインクは、単純に乾かない。紙を横向きにすると、ただちにインクがページを流れてしまう。穏やかなアリノールの気候では考えられないが、ちょっとした船の旅ではよくある。かわりに、地元では水の中でも乾くインクを使う。快適な書き物机がある書記には馬鹿馬鹿しいことだが、暴風雨の中でも緊急の書状を書く斥侯には非常に重要なことである。

ヴァレンウッドのインクのもうひとつの重要な進化は、多くの場合、暗闇でかすかに光るということである。このような性質はアリノールのような明るい街ではほとんど必要とされない。森の深い闇の中、読むための月の光がなくても微かに光るインクにより、重要な文書を正確に読むことができる。

最後の肝心な点として、インクはさまざまな表面にしっかり書くためによく使われている。高品質の羊皮紙は滅多に手に入らず、紙でさえも地元のボズマーの信条によっては手に入りにくいことがある。落ち葉や平らな石に書状を書くというのは、アリノールでは考えられない。森の深いところではよくあることで、その方が好まれることが多い。先に述べた精巧な真夜中のインクは、紙に書くには使う価値がないにもかかわらず、高く評価されている。多孔質の石に書いた場合、勢いよく振るまで、形は保たれる。

そのため、石とインクはかなり長い間使い回せる。インクがきちんと乾かないため、書かれた文字は数か月以上も長持ちする。このため、普及しているアリノールのインクは、ボズマーの間で非常に希少価値が高い。彼らの異なる環境によって、アルトマーの熟練の書記にすら知られていない、可能性が高いインクの性質を発見することになった。

引き続きタムリエル本土でインクの研究を続け、アリノールの書記にこの一連の章を提供していくつもりである。

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