コールドハーバーの魂なき者

ああ、あなたを探していたのです

ようこそ。私の後援者が、この世界の運命に関わることであなたと話をしたいそうです

後援者が詳細を外で話したいのなら、使者を送るはずがないでしょ？ これはあなただけに伝える問題です

私の後援者が近くで待っています。急いでください

私が知っていることは本当にこれだけです。好奇心を満たしたいのなら、私の後援者に聞いてください

んんんんん！

おっと！ 大丈夫？

あたしはリリス

まだ戦う力が残ってるといいけど。あんたが必要になるわ

死んだ。一番小さい猫だったんでしょうね

いつでも武器を抜けるように準備しておいて。ここは驚きがいっぱいだから

動き続けて！ まだデイドラが向かってきてる！

〈預言者〉よ！

〈面影〉よ。お前と同じように、俺はここに囚われている

俺を解放するんだ。お前が助かる道は他にない

ちょっと待って。こっちへ来て。話すことがあるわ

〈預言者〉ですって！

彼もここの囚人よ。少しでもあんたと話したなんて、危険だわ。あんたがあたしを助けられると思ったのね

もちろん彼を解放するの！ あたしを信じて。できることがあれば何でもする

あの盲目の老人は、あたし達を戻せる唯一の生存者。タムリエルはここから随分遠いの

このトンネルを行けば、じきに〈瞳の塔〉に着く。センチネルはそこにある

モラグ・バルがコールドハーバーを監視するために作った魔法の装置よ

センチネル同士は繋がっていて、一つ壊せば他も監視できなくなる。運よく壊せれば、〈預言者〉とあたし達が逃げる時間を稼げるわ

さあね。力ずくで？ 方法を探さないと

注意して。モラグ・バルがセンチネルを無防備にしているとは思えない

でしょうね。できる限り答えるわ

彼は間違いなく変人だけど、あたしが今まで会った中で一番賢い男

彼は過去と、未来を見るの

タムリエルじゃないことは確かね。今までの人生で一番惨めで憂鬱な場所のことを考えてごらんなさい。コールドハーバーに比べれば楽園よ

それに… 言いにくいんだけど、あんたは死んだの

さあね。〈預言者〉を助けたら、彼が神とオブリビオンについて教えてくれる。あたしには一つもわからない

マニマルコという男よ。配下である虫の教団は、タムリエルで何か儀式を行っている。あんたとここの囚人すべてが生贄とされ、デイドラ公モラグ・バルに捧げられたの

あんたが死んだあと、言ってみれば残滓がここに現れたのよ。あんたは〈魂なき者〉と呼ばれているわ

つまりあんたは奴隷で、永遠にこのコールドハーバーに留まり、デイドラのために働くってこと。あたしと来なければね

いいえ、あたしは生贄にはならなかった。〈預言者〉とあたしがここに連れられて来たのは… 慣例とでも言えばいいかしら。でも、あんたと同じここの囚人よ

簡単にはいかないわ。そこはセンチネルという魔法の装置で監視されている。その目をくらまさなければ勝機はない

着いたら詳しく教えるわ。とにかく進まなきゃ

よくやったわ！ アーケイの髭にかけて、あんたは戦いが得意なのね！

〈残虐の神〉は逃亡に気付いている。急げ！

企みの神はコールドハーバーの全てを見通せる。まずは奴の注意を逸らさないとね

センチネルは互いに繋がっている。どれかを壊せば、他もしばらく見えなくなるわ

目立たないようにしてね。ようやく出られたんだから。逆戻りは御免だわ

急いで！目が見えないうちに、〈預言者〉の監房へ行くわよ！

愚か者め！ 我が領域から抜け出すことなどできん

ハルマ・モラの揺れる舌にかけて！ 扉は閉ざされてる。こっちからは入れないわ

しまった！ センチネルを破壊したから結界が張られたんだわ！ 他の道を探さないと

そうね。キャドウェルなら助けてくれるかもしれない

キャドウェルは一番古くからの魂なき者

魂なき者は何年か経つとおかしくなって野生に帰るのが普通だけど、キャドウェルは別だった。最初からおかしかったから。おかしいけど、完全に無害。会えばわかる

キャドウェルは物事を「そうでありたい」と願うまま見るの。彼にとってコールドハーバーはすばらしい場所、彼の家なの。体の一部のようによく知っている。普段は川のほうにいるから、行ってみましょう

とてもよく晴れた日の真夜中、二人の死せる王が戦うために起き上がる。背中を合わせて向かい合い、そして、自分を刺しちゃった！

おお、どうした？ 散歩か？ そうだな、散歩にはいい日和だ

その通り、キャドウェル卿だ。嬉しいな！

それに麗しきリリス！ 会えて嬉しいぞ、お嬢さん。ご機嫌いかがかな？

おやおや、それは困ったことだな

教えてやろうか？ 奇遇にもワシは他の入り方を知っているんだ！ ちょっとした物見遊山になるぞ。たくさんの罠、死体、それから悪い獣がひしめいている

気をつければいいんじゃないか？

足元を見て、息を止め、罠に気をつける。走ったり乱闘したりもあるだろうな

川に沿って進め。行き止まりに地下墓所への扉がある。中に入ったら光を頼りに進めば、預言者のところに直接通じる梯子がある

彼によろしくと

幸運を祈る。また来てくれよ？

ああ、特に話すことなどないが？ ただの老いぼれだ。英雄的な冒険で麗しい乙女達を救った勇敢なる騎士

ある日、首が突然体とおさらばして、ワシはここにやって来た。不運だったが、お前さんはおかげで得したな

ふう… 随分経つ。魂なき者としては一番ここが長いかな。野生に帰った連中を除いたらだが

すべての地下道や小道、隠れ場所の隅々を熟知している。みんなワシを尊敬してるはずさ

リリスはシェオゴラスの寝間着と同じくらい変な女だ。根はいい奴だがな。ワシ達みんなを永遠の拷問から救うために、預言者を救出せねばならんのだと。年寄りがどう救ってくれるのかはさっぱりだがな！

インペリアルの紳士の残骸だ。かつては偉大な魔術師だったらしいが、時とは残酷なものだな

リリスが言うには、彼はタムリエルに戻る道を知っている。そんなもんあるなら、ワシがもう見つけているがな

あんまり考えたことないな。可能だろうがね

実を言うと、ワシはここが長く、マイホーム気分なんだ。だが時折起こる暴動はいい気晴らしだ。何もまずいことはないだろう？

キャドウェルはこの地下墓所を愉快な場所だと思っているみたい。つまり死の罠があるってことよ。慎重にね

キャドウェルは魂なき者たちの間で伝説になってる。タムリエルではさげすまれ追放されたけど、ここでは尊敬されてるわ

変人なのは間違いないけど、コールドハーバーの秘密の通り道を全て知ってる

早く扉を開けられれば、それだけ早くここから出られる

ここは死と腐敗の臭いがする

〈預言者〉の檻は目の前のはずよ。さあ、急いで！ もう時間がない

わかった。良い知らせはここまでたどり着けて、〈預言者〉も無事ということよ

次に悪い知らせよ。彼を無事にタムリエルまで連れていくのはあんたの仕事。あたしは一緒に行かない

独房を開く仕掛けがある。生きた人間が身代わりになる以外に、囚人が逃れる術はないの。あたしが〈預言者〉の身代わりにならなければ

あればいいんだけど、 他に生きてる者はいないでしょう？ モラグ・バルを阻止しなければ、あたし達が愛する全てが破壊される

終わったら、そのまま行って。〈預言者〉はどこに行くか知っているけど、あんたの目と守りが必要なの

自由。この感情、覚えているぞ。モラグ・バルを止められなければ、束の間のことだがな

神々のおかげで、お前は安全だ！ 一応はな

リリスが自らを犠牲にしたおかげで、我々は自由だ。彼女の犠牲を無駄にしてはならん

〈面影〉よ、そうできればいいのだがな。だが約束しよう。ここを脱したらすぐに、彼女を救出する道を探す

お前に与えた名だ。お前は以前の自身の残滓に過ぎぬ。魂を失った者、満たされることを望む空っぽの入れ物だ

〈星霜の書〉が予言した通りだが、俺が想像したような姿ではなかった

そう呼ばれていただけだ。真の名は失われ、俺にも分からん。永い拷問の代償だな

今は急げ。アンカーへ向かう！

アンカーとは、最も暗き魔によるデイドラの機構だ。巨大な鎖が世界を縛り、コールドハーバーへと引き寄せる

このアンカーを使い、タムリエルへ帰還する。アンカーまで俺を連れてゆけ

階段の奥がアンカーの係留地だ、モタモタするな！

あれだ。ダークアンカーの係留地だ

定命の者が我に逆らえると思っているのか。くだらん。じきに世界の全てが我が鎖で繋がれる

来い、俺から離れるな！

アンカーのポータルは天高くにある。昇るための呪文を俺が用意しよう

だがまずは、物理界での姿を取り戻すために、お前をニルンに再同調する必要がある。スカイシャードが必要だ

ニルンの性質を携えたエセリアル・マジカの〈欠片〉のことだ。不在なる創造神、ロルカーンと関連していると考える者もいる

〈欠片〉の力を取りこむことで、お前は肉体を取り戻す。来るんだ、俺なら〈欠片〉を召喚できる

エセリウスの〈欠片〉よ、我等の上に来たれ。汝の祝福で我等を包みたまえ

急げ！ スカイシャードを手に入れるのだ

偉大なるアカトシュよ、刻の竜神よ！ 汝の力を求めん！

道を開きたまえ！ 彷徨える魂を、あるべき処に戻したまえ！ モラグ・バルの意志を挫くために！

急げ。もう行くぞ！

〈面影〉が再び目覚めた。こっちだ、話をしよう

数日？ 数週間？ 俺には分からん。次元を旅したことで、時空の感覚は失われて久しい

分かるのはただ一つ。海に委ねられたお前が、慈悲深き魂に引き揚げられ、乾燥した大地へと運ばれたことだ

それはお前自身で決めることだ

俺はリリスの勇敢さに報いる方法を探す。モラグ・バルの怒りに屈して、彼女を見捨てることはできん

予知はできん。今は無理だ。だが我等はまた会うだろう。成し遂げるべきことはまだたくさんある

慌てるな〈面影〉よ。我等の世界は危機に晒されている。モラグ・バルの脅威はタムリエル全土に遍く及び、混沌がその影に広がっている

危機に晒された大地は様々な形に変わる。不意を突かれぬようにな

自らの道は自ら探せ。いずれ意味のある場所を見い出すだろう

旅せよ、力を委ねるべき大義を探すのだ。仲間を見つけよ、海から引き揚げてくれた人々を探すも良い。選ぶのはお前自身の魂だ

そうだ。今でもお前の近くには命を危険にさらされている善き魂が、救いの手を待っている

モラグ・バルの企みを阻むため、俺達はあらゆる場所に赴き、奴の勢力を阻止しなければならない

この乱世を生きるのは俺達だけではない。暗き流れを断ち切るため、多くの魂が立ち上がるだろう

お前がどこに行こうが、勇気と恐怖を分かち合える者に出会えるはずだ。できるなら彼らに手を貸し、したいならば共に人々を救うのだ