スポンサーリンク
書籍

護身術

アンデルス・ゲマネ副隊長著

手持ち武器の中でも極めて重要な短剣を、兵士達は軽視することが多い。そう。盗賊やアサシンでさえ好む、地味なブーツナイフのことだ。大剣で首を切り落とし栄光を掴もうと戦闘に突撃する夢を見る者達にとってどうして短剣の評価が低いのか容易に理解できるが、ピンチに陥った時の救いとなることがある。

経験豊かな兵士はどんな状況にも対応する準備ができていて、それは大小さまざまな武器に精通していることを意味する。短剣は唯一無二の友人になれる。隠れた刃は捕まった際に拘束具を切り離せるし、丸腰になっても戦うチャンスを与えてくれて、小道で皮を剥いで手軽な食事ができる。手に取って訓練すれば、機動性と近接戦闘について多くを学べる。

戦場に備えて完全な準備をしたいのなら、次の簡単な訓練を最低週一回するべきだ。私の助言を聞けば生存確率が10倍上がる。

早抜き: 数本の小振りの短剣を手の届きやすいところに固定しろ。腿に一本、剣の側に一本、または肩に一本つけるのがよいだろう。やることは可能な限り速く短剣を引き抜いて使える状態にするだけだ。簡単に見えるが、この手順は習得の必要がある。素早く取り出せなければ死んだも同然だ。

投剣訓練: 弓は優れた武器だが、矢が尽きて敵が突進してきたらどうなる? 射手の射程距離で投剣の訓練をある程度行え。手首を固定して確実に振り切る形で、標的と柄が一直線上になったら放せ。早抜きの訓練と一緒にすると特に効果が上がる。

葦: この訓練には相手と練習用武器が必要になる。片手を背後に回してもう一方の手で短剣を握り、相手に全力で挑ませろ。目標は両足でしっかりと立ち続けて素早く体を曲げることだ。後退せずに、短剣が致命傷を与えられる攻撃側の懐へ向かうようにしろ。

何をぐずぐずしてる? 表に出て短剣の練習をしろ。それに命を救われたら、私に感謝してもらっていい。

コメント

スポンサーリンク