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書籍

水晶の塔の賢者

魔術師ギルドの書記、ヌララン著

彼らを賢く博学と呼ぶ者もいる。サマーセット諸島で最も優れた魔術の使い手と呼ぶ者もいる(ただし私の仲間の多くはその考えに反対するだろう)。彼らはサピアルチ、水晶の塔の賢者であり、サマーセットの王位継承者の教官である。現代の最も偉大な魔術師と言える者のうち、何名かはサピアルチに存在している。しかし彼らはたいてい魔術や難解な学問の学者であり、それぞれ特定かつただ一つの研究テーマを専門にしている。

サピアルチは水晶の塔の番人を務めている。塔は正当な水晶、「水晶のような法」とも呼ばれる。塔の名前は水晶で出来ているからではなく、塔の頂上に透明なる法という魔法の水晶を収めていることに由来する。

塔の中にはわずかな賢者が住み、塔の管理をして秘密を守っている。他にも研究で出入りする者はいる。当然ながら塔に入るには、ただそこへ行って扉を開けば入れる訳ではない。入口は隠されていて、強力な結界によって守られている。唯一入れる方法は塔の衛士の助けを必要とする。この特別に調整された2人のサピアルチは、それぞれ塔に入るために必要な、決意のダイヤモンドを1つずつ持っている。塔の衛士によって、決意のダイヤモンドが正しく調整されて同時に使用されると、その紺碧のダイヤモンドは水晶の塔への道を開く。そのような衛士は2名しかおらず、それぞれ携えるダイヤモンドへのリンクを確立するため、長く厳しい儀式を受けなければならない。衛士たちはその役目に11年間就き、その後は新たな2名がダイヤモンドの保護を受け持つ。

他の賢者たちはサピアルチ大学に入り、それぞれが魔術や難解な学問における特定の分野を担当して献身する。リランドリルのラーナティルはアルケイン学のサピアルチで、サピアルチとその助手に223の異なる分野が割り当てられたこの大学を取り仕切っている。サピアルチはサマーセット中で個人、もしくは小グループで独自の研究を行うか、大学全体のために特定の課題を研究している。研究の中には水晶の塔、またはリランドリルのサピアルチ大学で行えるものもあるが、それ以外は賢者たちが必要に応じて旅し、自分の書斎に閉じこもって、世界で最も大きい複雑な謎についてあれこれと考える。

サマーセット諸島の支配者が領土を収める慣例として使うプラキスの書の解釈者として、サピアルチは重要な儀式学の持続における役割を果たしている。プラキスの書は、アイレン王女が生まれた際には王女が落ち着きのない不穏な時代を象徴し、いずれは支配することになると予言したとされている。時が来れば、王位継承者は必要条件として王位継承の3555日前に、サピアルチの元へアルトマーの王政プラキスと儀式学を学ぶために訪れる。その後、サピアルチ大学は新しい支配者にとって強力な人材として仕え、求められれば助言や意見を提供する。

学問を追究している者として、サピアルチは兆候や前兆に対して過度に興味を持っているように見える。彼らは星座の動き、月の位置、動物の気質、さらには一世一代のスープに浮いている泡の渦にまで、深く重大な意味があると考えている。こうした知性と迷信の綱引きは、私たちにとって矛盾のように思えるが、サピアルチは同じコインにおける表と裏のように捉えている。そしてコインと同じように、中に入る代金を払うには両方とも必要だ。少なくともサピアルチはそう言っている。

サピアルチの主な研究分野には、オブリビオン学、教化、アルトマー遺産、付呪、神話史、デイドラの誤謬、月学、神正統主義がある。それぞれの研究室と研究分野を示すため、各自がアルトマー美術のサピアルチ、海軍考案のサピアルチ助手といった肩書を持っている。サピアルチは一生、もしくは学問分野の変更を申し立てるまで、その肩書を持つ。ただし、塔の衛士は決意のダイヤモンドにまつわる責務を11年間全うした後、塔の鍵を後任となる次のサピアルチに渡してから、自分たちの研究分野に集中する生活に戻る。

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