書籍

正しい拷問技術 第13巻

苦悶の女公爵著

失敗に注目すべし

痛みは定命の者の拷問に有効な手段となりえますが、固有の欠点があります。
一時的でしかない点です。
一方「失敗」は永遠に続くものです。

その短い存在の間、定命の者たちは常に大きな成果を挙げようと願い、自分の身体的能力を超えた活動を試みます。
彼らはその性質を「野心」と呼びます。
過度の無理や努力、見込み違いや単に不運のせいで複雑な事態となり、必然的に単数、複数の試みで悲惨な結果に終わるのです。
それに伴う不名誉や自戒の念はしばしば心に刻まれ永遠に消えず、残りの日々の間彼らを苦しめます。

従って定命の者の野心の副産物である「失敗」は、拷問官の武器庫において特に有効な武器の1つであるのです。

定命の者は自由意志の行使をする中で、自分の失敗や報われなかった野心について思い出すことを望みません。
その失敗について詳しく語ることは、彼らの「自尊心」に壊滅的な影響を与えるのです。
自尊心とは広く無意味な世界で、それぞれを価値のある人物と考えさせる哀れな性質です。
定命の者の自尊心が影響を受けると、彼らが持ちえる長所に対する自己認識の評価は下がってしまうのです。
すなわち、自分を精神的に苦しめ始めるのです。

定命の者の精神を壊す上で特に洗練され効率のよい方法は、彼らが一番の失敗や欠点だと考えている出来事を絶えず繰り返させることです。
強調し誇張し、ある程度その出来事をゆがめさえもして、彼らの不信感や落胆が内に向かい、己の心も体も魂も苦しめるという状況を作り出せるのです。

これは肉体的な拷問よりも多くの時間と手間がかかりますが、強制的な失敗のシナリオを毎日繰り返すことで、いずれは対象の意志も砕かれます。
暴力や流血行為も必要なく、それで増える清掃の手間や死体処理のためとされている損失もなくなるのです。

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