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書籍

ネドラスの日記

ここには何も残っていない。姉妹と一緒に懸命に生きてきたのに、ジェンディノーラの病状は日に日に悪くなっている。南のジャングルから来た「人食いエルフ」など、誰も雇おうとはしない。愚か者どもめ。形のおかしな耳と、ゴミの臭いがする息の巨人たちめ。

きっと良くなる。病気に効く香油を買えるようになるから、とジェンディノーラに約束し続けた。私は嘘つきだ。良くなんてならない。

彼女をこのノースポイントに残して、香油を買うためのお金を稼ぎに行かなくては。でも、緑に誓って、姉妹をこのまま死なせはしない!

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ビターハンドに入って数日しか経っていないけど、三か月働いた分の金が稼げた。そのほとんどはノースポイントにいるジェンディノーラに送って、それなりの剣を買うための分だけを手元に残している。

どうやって稼いでいるかは、彼女には言えない。血で汚れた手を見られたら、今の自分を知られたら、彼女は病気になってしまう。ただ、彼女はすでに病気だ。知らなければ、傷つくことはない。

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ビターハンドを追う兵士の数は、日に日に増えている。前回のパトロールから、やっとの思いで逃げた。いずれ私は死ぬ。それは分かっている。他の連中がこっちを見る目で分かる。訓練も受けていないし、度胸もない。

彼女をとても愛している。もう一度彼女に会いたい。他の方法があればよかったのに。でも、死んだ時に家族を守ったと思いながら死んでいける。大切なジェンディノーラを。

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