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書籍

メリオンの日記

あのおかしな魔術師め。どうしてこんな所に置き去りにした? 幸運なことに私は才能ある錬金術師なので道具を肌身離さず持っている。洞窟内にキノコが何種類か生育しているのに気付いた。洞窟を散策し、魔法耐性の薬の作成に必要なレシピを考え出した。これでまやかしや幻影から身を守れるだろう。

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材料を集め始めたばかりのときに、まばゆい光を放つ生物が現れた! 最初は疲れた脳に刷り込まれた幻影かと思った。しかし彼女と話をし始めると、私は――日記よ、私の親愛なる日記よ――魅了されてしまった! 彼女は本当に優しくて理解力がある。私のために存在しているかのようだ!

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彼女のために歌を歌う。詩を朗読する。彼女はそれを愛してくれる。私の妻は音楽を好まない。吟遊詩人は嫌いだと言う。あいつはいつも文句ばかりだ。感謝してくれない。私の人生に新たに現れたこのレディとは大違いだ。

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最初の日記を読み返す。薬を作ろうとしていると書いているが、一体どうしてそんなことをしようとしていたのかまったく思い出せない。この場所が気に入った。耳障りなコウモリの鳴き声さえもまるでセイレーンの歌のようだ。それもすべて彼女のおかげだ。私のレディ、愛しい人。

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流浪の日々は終わった! 結婚してこの地下の楽園で永遠に一緒に暮らすんだ! あの魔術師にもう1度会えたら感謝の気持ちを伝えよう。彼が人生を変えてくれた!

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