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書籍

商人王たちの積み上げられた文書

ラロスの焼け焦げた日記:

ガヴォスは終わった。

予想どおり、奴のしみったれた兵士たちは買収できた。クエンティンとエスディルにとって、説得して同意させる負担は大したものではなかった。我々は彼らを買っても釣りがくるほどの金を持っているからな。

奴が大切にしている金床と共に閉じ込められた今、絶え間なく挟まれる「公正さとは」という言葉を聞くことなく、本物の利潤の獲得に戻れる。奴に何が分かる? この市場の繁栄の理由は我々で、奴の説教や小物のおかげではない。

今日、新しく指名された裁定者が来た。彼は努めてさりげなく一週間分の取り分の増額を示唆し、「夕日の下」での休暇の計画のための金が足りないことを匂わせてきた。言葉の選び方がかなりわざとらしいような気がした。私の秘密の隠れ家を知っているのか? 思っていたよりも不注意だっただろうか?

いずれにせよ、我々は今のところ、さらに気前よく心付けを渡せるの余裕がある。だが、奴が私の事情についてあまりにも知り過ぎた場合は、交代させる必要があるかもしれない。

* * *
クエンティンの秘密の往復書簡

友へ

間もなく金床を手に入れてやろう。既にガヴォス・ドゥーアに盗まれていると誰もが信じているものである故、惜しむ者などおるまい。必要なのは、同僚の大臣二人から助力を得るための根回しだけだ。最近の彼らは少々扱いづらいが、君が提供してくれた護衛のミノタウロスを紹介すれば、ずっと乗り気になるのは間違いない。

とは言え、少しの遅れも出してはならない。彼らが何かに勘づいたら、金床を確保できなくなるかもしれない。だから可能な限り早く、ゼニタールの大修道院に向かってくれ。

到着したら、鍛造用の火の背後で落ち合おう。私は我々が必要とするものを全て手にしているはずだ。

* * *

エスディルの古い日記

ラロスとクエンティンは私のことをガヴォスと同じぐらい愚かだと思っている。

奴らの企みは分かっている。彼を消し、在庫を拡張させる気だ。禁制の魔法の遺物に攻撃的な異国の獣。奴らはあの貪欲な手がつかめる、ありとあらゆるものを取引するだろう。

まあ、奴らにしてやられたなどと言わせるつもりはない! 間もなくスクゥーマの積み荷が到着する。確実に大修道院全体で、それを売るのは私だけにするつもりだ。小物や野生のペットなどはすぐに飽きられるだろうが、スクゥーマの需要は常にある。

クエンティンは資金を用意した買い手がいるから、金床を回収して売るべきだと言っている。それが本当に労力を費やすに値する話なら、おそらく自ら行動を起こすだろう。念のため、私の印を移動させた。にぎやかな通りのはるか上にある、私が一番うまい酒を飲める場所にな。

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