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キャラクター特集 隠者

キャラクター特集とは、ESOの新コンテンツが配信される際に、新たに登場するキャラクターを紹介する為の、ESOの公式サイトで公開されているページです。

隠者は「デッドランド」に登場するキャラクターです。

サラアス・トング警備主任、ナシン・ファランダス著

ファーグレイブの安全性と収益性を維持するためには、常に注意を払う必要がある。
新たな訪問者たちというのは、ここでの出会いの場における力関係を変えてしまうのだ。
時に、彼らはファーグレイブを意のままに捻じ曲げようとする。
そう、目覚めの炎教団の狂信者たちのように。
しかし、この地での絶妙な力関係に、自身がどのような影響を与えるのかを認識していない一人の人間が訪れてくることもある。

例えば、隠者としてのみ知られている、謎に包まれた定命の者だ。

彼女は少し前にバザールに現れた。この名も無き冒険者は、街に到着したことで混乱しているようだった。
このような旅人たちの多くは、すぐに別のポータルを通り二度と姿を現さないが、彼女はファーグレイブに留まった。
そして、すぐに困っている人たちを助ける仮面を付けた定命の者の噂が囁かれるようになった。
マダム・ウィムは、彼女のことを「隠者」と名付けた。
彼女には別の名前があるのかもしれないが、それを知ることはできなかった。

この定命の者がサラアス・トングの状況を複雑にする可能性があると明白になった時、私は彼女を見つけ出し手を打つべく捜索を開始した。
彼女を買収できるならそうしよう。
だが、我々の申し出に応じないようであれば、少なくともこちらの利益に影響しない方向に彼女を導くことができるかもしれないと。

長く困難な捜索が予想されたため、彼女が助けたといわれている人々にその居場所について尋ねようとした。
しかし驚いたことに、隠者が私を見つけてくれたのだ。
4つの噴水がある中庭の角を曲がると、彼女は壁にもたれかかり私を待っていた。
フードの下からは、顔の上半分を覆う白いエナメルの仮面が覗いていた。

「サラアス・トングが私に話があると聞いてね。何の用?」と、彼女は言った。

「あなたが隠者ですか?」私は尋ねた。
どうやら、私が話しかけた人々が彼女に警告したらしい。

「そう呼ばれているわ。さっさと要件を言ったら?」彼女は答えた。

「話がしたいだけです。」と、両手を広げながら伝える。
隠者が剣や杖の使い手だとは聞いたことはなかった。
しかし彼女は、その機転と隠密性、敏捷性、そしていくつかの基礎魔法の経験を組み合わせ、エラントのごろつきたちに何度か赤っ恥を搔かせた街の喧嘩屋で、この地では非常に危険な存在となっていた。

隠者は私の言葉をただ待っているだけのようだったので、話を続けた。
「あなたは人々を不安にさせています。
エラントを辱め、愚かな旅人たちを見えざる綱から引き寄せ、グラスプを困らせたのです。
ファーグレイブの均衡を乱すのなら、その代償を支払わなければなりません。」と、彼女に告げた。

「私は人々を助ける。」彼女が答えた。
「ここにいる悪党たちは人々が弱いという理由だけで奪うことができるとつけあがり、商人たちは生きるためにパンの耳を求める物乞いを横目に闊歩する。
そして、デイドラは純粋な定命の旅人たちを罠にかけ、彼らから魂を奪うような取引を行っている。
私は悪党が嫌いなの。だから、私は人々を助ける。」

「それが何の得になるのですか?」と、私は尋ねた。

「得?まるでマダム・ウィムのような言いぐさね。私は誰かがやらなきゃいけないことをしてるだけ。」隠者はその仮面の奥から異様なほど鋭い視線を投げてきた。
そして、私の胸に指を突きつけてこう言った。
「あなたもそうすべきよ。私は1人でここまでやってきた。
サラアス・トングはファーグレイブで相当な財力と権力を持っている。
あなたのその立場を善行に利用すれば、この場所がどれだけ良くなるか分からないの?」

「無償で?取引の提案としては非常に不利益ですね。」と、私は答えた。

「ファーグレイブの治安が少しでも良くなれば、サラアス・トングもこの地で取引をしやすくなるはず。
これは投資と言っても過言ではないわ。」

私はその言葉にほくそ笑んだ。
「うぶなお嬢さんだ。遅かれ早かれ、あなたはデイドラの逆鱗に触れるか、定命の悪党の恨みを買うことになるでしょう。そうなれば、傷つくのはあなたが守ろうとしている人々だというのに。」

「そうはさせない。必ず私が食い止める。」隠者は言った。

そして背を向け、何も言わずに立ち去ってしまった。
追いかけようとしたが、すぐ隣の扉が開き、部屋いっぱいの酔っぱらったヘクソス家の労働者たちが我々の間になだれ込んできた。
人ごみを通り抜けた時には隠者の姿はすでに消えていた。

以上が私の報告だ。
隠者は、サラアス・トングの利益を脅かすものではない。
しかし、ファーグレイブの恵まれない人々のために彼女がし続ける献身は、いずれ天の籠の基盤を揺るがすことになると私は推測している。
そして、私は認めざるを得ない。
彼女に出会ってからというもの、どうにか我々の努力を公益に向けることはできないものかと考えるようになったのだ。
どちらが愚か者であるかは私にも分からない。

隠者は確かに世間知らずだ。
だが、世界を構築する者に相応しい勇気と志を持っていた。

キャラクター特集:隠者

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