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キャラクター特集 レディ・ビレイン

キャラクター特集とは、ESOの新コンテンツが配信される際に、新たに登場するキャラクターを紹介する為の、ESOの公式サイトで公開されているページです。

レディ・ビレインは「リーチ」に登場するキャラクターです。

王家特使からリーチへ、レディ・ナイリーン・デヴィエレンによる報告書

薪木の月の第一週目、私はハイロックの国境近辺で勃発したリーチの民による襲撃事件について、暴君アルド・カダッチと協議するためにマルカルスに赴きました。
到着後、上級王エメリック陛下の事件について暴君と協議をする前に、先ずは彼の主席顧問であるレディ・ビレインに協議を手配してもらうよう説得する必要があることを知りました。
そして、幸いなことにレディ・ビレインは私の話に耳を傾けてくれたのです。

説得の結果についてご報告する前に、マルカルスのレディ・ビレインがどのような人物であるかご説明しましょう。
暴君と親しい間柄の彼女は、常に彼に味方をします。
しかし奇妙なことに、いつから、どのようにして彼女があのような影響力を行使できるようになったのかを知るリーチの民に出会うことはできませんでした。
私が持つ確かな情報では、彼女が最初に現れたのは、モリカル皇帝の下でカダッチが帝国総督として街を統治し始めた頃です。
当時は、多くの異国者がマルカルスに流れ込んできており、レディ・ビレインは自身を「リーチに特定の学術的および専門的な関心がある、無名のブレトン貴族」と名乗ったそうです。
彼女はマルカルスの高台に家を建て、口数の少ない使用人をわずかに雇い、遠方の地から豪華な家具を輸入しました。

レディ・ビレインが街に定住してまもなく、彼女は難解な問題や外交関係に関してカダッチに助言し始めたのです。
彼女は、暴君の厳格さを和らげる甘言と、繊細な気遣いを駆使した彼女の狡猾な政治的本能により、瞬く間に支持を獲得していきました。
マルカルスの人々は彼女のことをこう呼びます。
カダッチの「砦の魔女」と。
大抵の場合、魔女とはリーチの民にとって尊敬されるべき存在ですが、レディ・ビレインの場合はそうではありません。
この「砦の魔女」は、政治に口を出し過ぎているのです。
多くのリーチの民の目には、魔女とは自然の力と魂を司るべきものとして映っており、彼女のように玉座の権力にすり寄ろうとするような「魔女」は信用してはならないと考えているのです。

レディ・ビレインとの会話は、よくある社交辞令から始まりました。彼女は私の旅について、そしてマルカルスでの滞在が快適であるかを尋ねました。
実のところ、こんな会話をレディ・ビレインと交わしていることに驚きました。
前回のマルカルスの訪問では、私が快適に滞在しているかなどと気に留めるリーチの民は1人もいなかったのに、今回私はこうして淑女と紅茶を楽しんだのです。

頃合いを見て、私は上級王の伝言について切り出しました。
「温かい歓迎に感謝いたします。しかし、私は今回の訪問について話さねばなりません。グレナンブラのブラッドソーン教団、そしてモウルノスのダークウィットネスによる奪略は耐え難いものです。上級王は国境間の平和を望んでいますが、リーチの民が我々の町を襲撃し、農場を焼き払うようでは平和を築き上げることはできません。貴女はアルド・カダッチを説得することができると聞きました。私たち双方が望まぬ戦争へと発展してしまう前に、暴走しているリーチの民を制圧するよう、どうか彼を説得してはいただけないでしょうか?」

私の話を聞いたレディ・ビレインは長考しました。
その姿はどこか異様で、素晴らしい美貌を持つ若いこの女性の目に、不安を掻き立てるほどの深い知識と経験を垣間見たようでした。
「確かにブラッドソーン教団とダークウィットネスは問題です。」
ようやく口を開いた彼女が答えました。
「しかし、上級王がおっしゃる通りにアルドが命令を下すことはないでしょう。カダッチがエメリックの言いなりになるとは思えないのです。」

「ですが、試してみなくては何も分かりません。」
私は抗議しました。
「貴女なら、何かできることがあるはずです。」

再び、ビレインはその暗くて深い眼差しを私に向けました。
「もし、エメリックがそちらの国境で暴れている者を痛烈に攻撃すれば、」
彼女が話し始めました。
「彼らはアルド・カダッチの助けを乞うことになるでしょう。そうなれば、彼はあなたからこの者たちを守る立場になる。それは彼への服従を意味するのです。」

私は眉をひそめました。
彼女が言ったことを正確に理解できているか不確実だったからです。
「私たちにこれらの者を攻撃せよと?」

「何もすべきではないということです。」
と、レディ・ビレインは答えました。
「私は、攻撃した場合に何が起こるかをあなた方のためにお話ししたまでです。」

「それでは意味がありません。私がここに来た理由は、上級王エメリック陛下が望む争いの回避です。」

「もちろん、私たちが話しているのは目先の問題についてではありません。」
レディ・ビレインは言いました。
「私たちが話しているのは、今後何年にも渡る問題の終息についてです。それが上級王の願いなのであれば、アルド・カダッチに加勢することが最も賢い戦略であることは明白でしょう。たった一人のリーチの王と手を組むだけで、手に負えない非常に多くのリーチの民に対処することができるのですから。アルド・カダッチへの支援こそが、あなた方にとって得策なのです。」

私はこれについて思案し、己に課せられた使命をその場で全うできそうなほど非常に合理的で魅力的であると感じました。
ウェイレストに帰還してレディ・ビレインの計画がいかに巧妙であるか説明している自分を想像しました。
上級王にこの機会をもたらしたことにより、私は間違いなく賞賛を受けることがきるのです。
しかし、頑固な疑いの念が私の心から消えませんでした。

「貴女のおっしゃる通りかもしれません。」
私は言いました。
「しかし、私には王の言葉をマルカルスの暴君に伝える責務があります。それを果たさずして、この地を去ることはできません。」

レディ・ビレインの目が鋭く光ったその瞬間に、私は彼女を怒らせることが賢明ではないと悟りました。
その穏やかな表情の奥で蠢く何か危険なものを、私は確かに感じたのです。
そして、席で身をすくめていた私に対して、彼女は冷静に微笑みながらこう言いました。
「責務というなら仕方ありませんね。アルド・カダッチとの協議を手配しましょう。ですが、あなたの懸念は彼の不平とともに却下されるのが関の山でしょう。望む答えを得ることはできないでしょうね。協議の後、私のもとへお越しください。上級王へ説明する言葉を共に考えましょう。」

彼女の言葉に困惑しながら、私はすぐに席を立ちました。
2日後、マルカルスの暴君との協議はレディ・ビレインの言葉通りになってしまいました。
しかし、私は「砦の魔女」の元へは行かず、この報告書を作成して封をすることにしました。

もう一度レディ・ビレインと話をすれば、私の心境は変わっていたのかもしれないのです。

キャラクター特集 ー レディ・ビレイン

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