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書籍

マオマーの書簡 第2巻

これもストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記: 嵐の島(第2巻)

私はテンペスト島での体験を生涯忘れないだろう。悪名高いあの島の嵐に見舞われ、危うく命を落としかけたのだ。船が大破し、私は丸々一月、島に閉じ込められた。島に広がる入り組んだ洞窟は比較的安全で、救助隊がやってくるまで私はそこに籠り、船の糧食で食いつないだ。

その間、この島に宿ると噂される魔法的性質の印は何も見つからなかった。しかし、そうした噂の原因になっている不思議な嵐は明らかに存在したのだ。誓って言うが、この島の嵐は私が過去に見たどんな嵐にも似ていない。速さと激しさが桁違いなのに加え、本来いたって穏やかな気候で知られる海域に発生するという点も特異だ。

この荒天の原因を解き明かすことができた学者や魔術師はいないと言われているが、この島はさまざまな現象の源と考えられてきた。たとえば「大洪水」や、435年のラミア侵攻に先立って起きた嵐がそうだ。この2つの出来事は、長年にわたって研究者や学者のこの島に対する興味をかきたててきたが、誰一人としてこれらの嵐の原因を解明できていない。

学者としては、テンペスト島は単に天候が極端に傾きやすい海域にあるだけのことで、それ以上でもそれ以下でもないとしか言えない。

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