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書籍

マオマーの書簡 第1巻

これをストームリーブ・ネイディルに見せてほしい。以下はテンペスト島に関するアルトマーの文書で、名高い地理学者アンガルモが記したものだ。この島はマラバル・トールにほど近く、我々の必要を満たすだけでなく、これまでにたびたび奇妙な荒天に見舞われてきたことを考えれば、攻撃の起点とするにはちょうど良い場所と言える。ここからならドミニオンの不意を突けるだろう。

アンガルモの旅行記: 嵐の島(第1巻)

マラバル・トールの沖に浮かぶベールに包まれた島々は、美しくも危険な場所である。とりわけ、一部の人々からテンペスト島と呼ばれるようになった「嵐の島」ほど、その形容にふさわしい場所はない。この島はたしかに美しいが、いまだに誰一人として解き明かすことができない秘密を抱えている。もう何年もの間、この島から大嵐と強風が発生している。この海域では極めて珍しい天候だ。あえて島に上陸しようとした学者は嵐に見舞われた海岸に打ち上げられるか、または命を落としてきた。

私自身、そうした嵐をじかに見たことがある。そのとき私は前述のような遠征の1つに加わっており、結局はテンペスト島でひと月過ごす羽目になった。というのも私の船、サマーセット・ブレイド号は、どこからともなくやってきたとしか思えない突然の嵐に翻弄されて木っ端みじんになったからである。私も噂に不安を覚えないでもなかったが、まさかあれほどとは思わなかった。いたって穏やかだった海があれほど唐突にしけるなど、魔法で嵐が呼び起こされたという以外に説明のしようがあるだろうか? やがて遠征隊の第2班が捜しにきてくれたおかげで助かったが、私は二度とあの島に近づかないことを胸に誓った。

この誓いを破るつもりは全くない。

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