パーシへ 心配だ。ショラマイは噂を広めたくはないが、クラン・ドロ修道院長のふるまいは日毎に奇妙になっている。またもや昼の瞑想に遅れ、トジャイの詠唱のあいだぶつぶつ言っていた。マントラのあいだ目を開けるのを禁じられているのはわかっているが、のぞき見ずにはいられなかった。クラン・ドロの口先はねじれて冷笑に変わり、尻尾は祈りのベルのように前後に揺れていた。これだけではショラマイのうなじの毛は逆立ったりしないが――爪がリズムを刻んでいたのだ。石をカチカチと打っていた、何度も何度も。それで私の頭はクラクラしてしまった! たてがみに手紙を送らねば。あのリズムには何か暗いものを感じる。修道院長が堕落していたら我々全員が危険だ これから数日間は見えないところにいて、あのリズムを聞いたら聖堂を逃げ出せ 月のご加護がありますように ショラマイ
パーシへの手紙

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