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書籍

退職願

ドゥモクめ! 私は廊下を掃除し、ダニを退治し、棚のカビをこすり落とす役目だった。そのために雇われた。領域を飛び回る話なんか聞いてない。書記の館はファーグレイブと同じだと思っていた。どのデイドラ公ともつながらず、領域の間を移動するための道だと。

私の持ち物はバケツとモップと、ほうきと、ブラシと、石鹸水だけだ。そんなもので蜘蛛の巣や壁に生えたキノコをきれいにできるか? 無理だ。しかも書記どもは忙しすぎて埃の一つも掃除できないという。私たちがいるのは地下の洞窟だ。そこら中が土と埃まみれだ。書記どもはテーブルの上に本を開きっぱなしにしたあげく、図々しくも、なぜ本が汚れまみれなのか聞いてくる。

あの天球儀のことなど知るか。銑鉄のスパイクを掃除しようとしたことがあるか? もう手を15回切った!

昨日はクランフィアが椅子の上で排便した。排便だ。あいつらにそんなことができるとは。できないとしたら、あのクソッタレは一体どこから…

いや、そんなことは考えたくもない。仕事に対する報酬は貰えないかもしれないし、書記どもは部屋代ぐらいの掃除はしていくだろうと考えているかもしれないが、私は次の裂け目からここを去る。行き着く先がシヴァリング・アイルズでもかまわない。辞めてやる。

石鹸水の王、トリラム・ファラシは退職して家に帰る。次のモップマスターは自分で探せ。

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