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書籍

ルーセントの教訓

ヘクソス家主任研究員、ロガナス・アティウス

どこかの時点で、定命の者にはファーグレイブの数多くの謎が決して解けないと諦めるべきだ。サラアス・トングの発明家は長年オブリビオンの謎を解き明かそうと頭をひねってきた。はっきり言うが、その割に彼らは大した成果を上げていない。デイドラのガラクタの山を築く過程で、何人か魔術師が正気を失っただけだ。

私はもっと単純な提案をしたい。ファーグレイブの隠された真実に対して根本的な理解を深めようとするのではなく、単に利用方法へ注力すべきなのだ。使い道があるものなら収集する。複雑すぎるなら処分する。冷徹な実利主義は当家の尊い資質だ。我々はデイドラ遺物調査にもこの原則を当てはめるべきだ。

これまで見た中で最も有力な研究対象は、デイドラの「ルーセント」だ。このクリスタルは魂石に似ており、同様の働きをし、素人にも分かりやすい。無論、その類似性はほとんど表面的なものだ。我が主任研究員によると、力を保存して放出する能力の他は、魂石とほとんど共通点がないそうだ。

そこに何が収められているのかについては諸説ある。魔術師の中には何らかの「デイドラのマジカ」が入っていると考えている者もいる。ヴァヌス・ガレリオンに属する者たちは特に、魔術はマグナスに由来するもので、その考えはバカげていると言う。リッシニア・カタラスという魔術師は、その相違を「ムンダスの球」説で切り分けようとした。彼女は「オブリビオン魔法」が原初の神々による創造の残滓だと提案する。マグナスとその仲間が定命の者の世界の天空を割った時に放出された、創造の力の波のようなものだと言う。確かに頭が痛くなるテーマだ。私が聞いた最も説得力のある説は、「オブリビオンの明確なダイナミズム」に関連していて、これはオブリビオンに姿と基本法則を与える普遍の力のようなものだ。その出自も、本質も、どう計測するかも分からない。だが前にも言った通り、我々の焦点は実用性だ。それでうまくいくことが分かっている。

このクリスタルの出所は分からないが、きっとスカイシャードのようにオブリビオンの様々な領域へ降ってきたのではないかと思われる。そのままの形でも微弱な力を含んでいる。そこに再充填する手続きには「ディナマスの源」というアイテムが必要になる。我々はこの物体を作成する術をまだ学んでいない。だが、スカーフィンの仲間であるピラゴスから十分な量を購入できた。ルーセントを源の空洞に入れればクリスタルは充填される。恐らくピラゴスは冗談のつもりだったのだろうが、源にはある種の精霊がいて、その力をルーセントに吸い出しているらしい。軽口だったのだろうが、デイドラの言うことは判断に困る。

充填が完了したら、その力を「放出台」と呼ばれるデイドラの装置で解放できる。デイドラはこの力を多様かつ巧緻に利用する。扉を開け、障壁を作り、排除装置の原動力にする。繰り返すが、クリスタルを挿入するプロセスは分かりやすく、展開しやすい。

この品をできるだけ多く集めて、我々の保安機構に組み入れる方法を模索するよう提案する。繰り返すが、ファーグレイブの謎は多い。だが、何よりも喫緊の謎とは、ヘクソス家のさらなる繁栄のために我々が利用できるガラクタがいくつあるかということだ。ルーセントは、ファーグレイブのより大きな力を解放するための鍵かもしれない。

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