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書籍

アイスハンマー従士の伝説

遠い過去のその昔、クラグワロウのアイスハンマー従士が地を歩いていた。陽気で元気いっぱいのノルドである彼は人々から愛され、その賢明さと元気の良さのために信頼されていた。このように始まる言い伝えがほとんどそうであるように、良い時代は続かなかった。

ヨルグリム川流域での遠出の狩りから戻った時、アイスハンマー従士にとっての変化が始まった。もはや快活で騒々しくなるどころか、どういうわけか彼は気難しく、短気になった。そして数ヶ月が過ぎ、彼の機嫌はさらに悪く、気分は暗くなっていった。

「夫がこんなに変わってしまったのは、一体何が原因なのかしら? 」アイスハンマー夫人は尋ね、カイネスグローブの番人たちに助言と援助を頼った。

番人たちは状況を調査するために若い侍者を派遣した。1日と1晩をアイスハンマー従士と一緒に過ごした彼女は、彼の行動を観察し、彼に質問をして、何が起きたせいで従士がそれほど腹を立てて怒っているのか突き止めようとした。

長時間一緒に過ごした後、ついに侍者は、アイスハンマー従士の脇腹から、上着に渡って黒いシミが広がっていることに気がついた。彼女は彼のシャツをはぎ取った。癒えぬであろう膿んだ傷が脇腹へと曲線を描いていて、そこから赤い槍の先が突き出ていた。「その名をハーシーンと奴は言った」と、従士は泣き叫んだ。「奴は私が獣人間を狩るべきではなかったと言ったが、それが何であるのか、私はどうやって知ればよかったと言うのだ? 」

その時、怒りに我を失ったアイスハンマー従士は、カイネの侍者に殴り掛かって殺してしまった。夫の行動にショックを受けたアイスハンマー夫人は、クラグワロウの番兵に従士を取り抑えるよう命じた。しかし逃亡したため、彼らは山付近の下にある古代墓地まで彼を追った。彼を追って墓地に入る準備をした番兵は、夫人に呼び戻された。「だめだわ」と、悲しそうに彼女は言った。「怪物を救うためにこれ以上の命を危険にはさらせない。墓地を封印して」

こうして、デイドラ公に傷つけられたたもののまだ生きているアイスハンマー従士は、葬られた。

アイスハンマー従士は、終わりのない怒りとハーシーンの槍の魔法に煽られ、今でも墓地の部屋を歩き回っているらしい。

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