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書籍

ナハテン風邪の確認

最も恐れていたことが現実となってしまった。隔離されているにも関わらず、スティルライズ村でも初めてナハテン風邪が大発生した。最初は商人の双子の見習いであるアバーレブとサナから始まった。2人がマッドツリー村から戻ってきた次の日のことだった。

アバーレブが最初に病気にやられた。アバーレブの前腕に真っ赤な発疹があることに、彼の主人が気付いた。サナが病気だとは数日間分からなかった。彼女の母親が血を吐いているところを見つけて判明した。

見習いは2人とも初期症状が出てから2日以内に死んだ。今では大勢にこういった症状が出ている。私も関節に痛みがあるのに気付いた。この短い文章を書くのも、まるで本1冊をまるごと書くほどの労力を要した。

通常の治療はどれも何の効果もない。もはや古代の祠に頼る他ないのではないかと思い始めているが、首領スーラックが反対している。ヘルシュク族長なら説得できるかもしれない。

呪術師チラー
第二紀561年、薄明の月13日

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